職場環境優良法人2023

【回答者数50人以上100人以下部門】
テックタッチ株式会社さま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2022年度に続き、2023年度も職場環境優良法人(回答者数50人以上100人以下部門)を受賞し、総合3位を獲得したテックタッチ株式会社の土井梓実さま(Human Resources)に1年間での変化や新たな取り組みなどについて伺いました。
※2022年度の記事はこちら

ドクタートラスト担当の根本からテックタッチ株式会社の土井梓実さま(Human Resources)へ記念の盾を贈呈!

まずは2年連続の受賞おめでとうございます。前回お話を伺ってから1年が経過しました。この間に始めた取り組みなどはありますか


土井さま:ここ1年での新たな取り組みとしては、月に1回実施するエンゲージメントサーベイ「wevox」があります。社員数が120人までに増え、一人ひとりの意見が届きづらくなってきたので、会社に対する改善案や意見を気軽に出してもらう目的で導入しました。
「wevox」は企業によってサーベイ頻度や設問数が変更でき、弊社では毎月ランダムに16問を出題されます。裁量ややりがい、達成感などを問う質問で構成されており、具体的には「自分の会社を他の人に勧められますか?」といった質問もあります。

サーベイを行ったあとはフィードバックなども実施しているのでしょうか


土井さま:人事部門ではサーベイ結果を見ながら経営陣との話し合いを必ず行っています。社員には、数値とともに現況を踏まえて今後の取り組み予定などを経営陣から直接伝えています。さまざまな事情ですぐに対応できないものもあるので、その旨も伝えるようにしています。

ほかに新たに始めた施策はありますか


土井さま:最近、Slackのbotアプリ「Donut」と「Thanks」の活用を始めました。「Donut」は、システムがランダムに1対1のマッチングを行い、会話の機会を作ってくれるものです。もともとはセールスチームで導入していたコミュニケーション施策ですが、有志からの提案を受けて全社へ展開しました。私自身もつい最近、普段あまり業務で接点のないメンバーとマッチングして、ランチに行きました。
「Thanks」は、Slack上で感謝のメッセージを送ることができるアプリで、業務を進めるなかでちょっとした感謝の気持ちを伝えるのに役立っています。
「Donut」や「Thanks」に限らず、こうしたコミュニケーションの施策は少しずつ増えていると思います。

社員数が増えると業務上関わらないメンバーも出てきますし、ランダムにマッチングしてくれるのはありがたいですね。また「wevox」も「Donut」も人事部門以外の発案である点が素敵です


土井さま:人事ではなく、現場のメンバーが発案してくれるのはすごくありがたいと思っています。実際、「Donut」や「Thanks」は、フルリモートのエンジニアメンバーが主体的に進めています。

テックタッチ株式会社の土井梓実さま(Human Resources)

社員数が100名を超えると、主体的に誰かが何かをやるのが難しい場面もあると思うのですが、工夫されていることはありますか


土井さま:新たに入社したメンバーからの提案を取り入れることはとても多いです。提案や意見発信が活発化するために特別なことをしているわけではないので、「言いやすい環境」そして「意見を受け入れる雰囲気」を大切にしています。
最近入社したメンバーが「ワイドモニターにパソコンをどうやって投影するの?」とSlackに投稿したところ、「こうしたらいいんじゃないか」とさまざまな回答が寄せられました。小さなことでも、誰かが必ず反応してくれる環境は、心理的安全性にもつながっていると思います。

直接的なコミュニケーションとはちょっと違うかもしれませんが、新入社者のオンボーディング(新しい仲間の順応を促進する取り組み)を丁寧に行っている点も当社の特徴といえます。中途入社の場合、どうしても社内のことや社員を知る前に、日々の業務に忙殺されてしまいがちで、馴染めずにつまずく方もいると思います。
当社では入社後1週間かけて研修を行うとともに、15人と15分ずつ話す「1on1スタンプラリー」を実施しています。これは、メンターが「この人とつながっておくと業務がスムーズに進む、会社で楽しく過ごすためにはこの人と接点を持っておくと良い」といった観点でメンバーをあからじめ選び、新入社者はスタンプラリーのように、それぞれと1on1を実施するというものです。「会社とメンバーのことを知る仕組みが、ここまで手厚い入社研修は初めて」と言われることも多いです。

会社の空気感が最初に知れるのはいい取り組みですね。
働き方の面では、エンジニアはフルリモート、ビジネスチームとコーポレートチームは1ヵ月あたり40%出社を続けられていると思います。この勤務形態において変わらず続けている施策はありますか


土井さま:社内のメンバーでランチへ行く際、ランチ代を1,000円分支給する「社内ランチ」は人気で継続しています。
以前は週に1回、水曜日限定の施策でしたが、曜日を固定すると、どうしても出社するメンバーがその日に集中してしまうことから「何曜日でも週1回ならOK」にルールを変更しました。私も、ほぼ毎週欠かさずに参加しています。美味しいご飯を食べながらいろんなメンバーとコミュニケーションがとれるのは大きな魅力です。

「補助出るから一緒に食べよう」は、ランチに誘う口実としてもかなり使えそうです!


土井さま:ふだんはフルリモートで勤務しているエンジニアのメンバーも3ヶ月に1回程度、東京近郊の会場でオフサイトミーティングを行っているのですが、やはりそのタイミングで「社内ランチ」を活用しています。
またこのほかに当社ならではの取り組みとして通称「MAH」、正式名称「Monthly All Hands」があります。月に1回、全社の経営状況や取り組みを全員に対して発表する場で、そこでは事業の目標到達度やリアルな今の営業課題や良い取り組み、などを、経営陣や担当社員が説明します。
直近で入社したメンバーからは、「会社としての方針を毎月全員で聞けるのは事業に対する当事者意識を持つことができ、心理的安全性にもつながる」といった声をもらっています。
「MAH」では最後に「入社X周年メンバーの紹介」も行っています。創業者2人からありがとうの気持ちを伝えたり、代表者にコメントをもらったりしています。毎月誰かしらに「ありがとう」が伝わる素敵な機会だなと思っています。また、周年プレゼントとしてご家族とも一緒に楽しんでもらえるジュースも創業者のメッセージ付きで送っています。

折々に会社からの情報が開示されていると、信頼感にもつながりますね!


土井さま:変わった取り組みとして「Naka / Junラジオ」という、Google Meet上で行うラジオ番組のようなものがあります。CEO(井無田 仲さま)、CTO(日比野 淳さま)の2人が2週間に1回15分~20分話すのですが、皆が作業をしながらラジオやポッドキャストのような感覚で聴いています。
2人がそのときに思っていることや刺激を受けた人、面白い取り組みや興味のあることなどをおしゃべりするので、堅苦しくない形式で創業者の視界や価値観を知れる機会になっています。

こうしたなかでストレスチェックはどのように活用されていますか


土井さま:経営陣と人事で数値を見ています。ありがたいことにそんなに悪い数字ではないので、毎回社員の状態を確認し、嬉しく思っていますが、改善できそうなポイントは施策の検討を行っています。また、あるいは「この先、ここが少し心配かもしれない」といった予防にも使っています。

インタビューの様子

最後に、今後の展望を教えてください


土井さま:今後も社員数がどんどん増えていくと思いますので、現在のオープンでフラットな環境など、社内コミュニケーションをどれだけ維持できるか、テックタッチの良さを継続できるかは大事なポイントだと思っています。チーム内のコミュニケーション、チームを超えたコミュニケーションなど、現場主導で進んでいる取り組みを、私たち人事部門ではサポートしていきたいです。

テックタッチ株式会社
2018年設立。「すべてのユーザーがシステムを使いこなせる世界に」をミッションに掲げるスタートアップ。あらゆるWebシステムの入力をアシストするデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」を提供している。大手企業や自治体・官公庁などに導入され、ユーザー数は400万人超。これまでグッドデザイン賞などを多数受賞し、2023年には経済産業省が選ぶ優良スタートアップ企業「J-Startup」にも認定された。
公式サイト:https://techtouch.jp/