研究レポート

コミュニケーションの質を高めてくれる「非言語コミュニケーション」が重要な理由とは

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皆さんは日頃コミュニケーションの中で、うまく相手に自分の意図を伝えられずに困ったという経験はありませんか?
そんなときは、言葉そのものだけではなく、視覚情報や聴覚情報など、言語以外で表す非言語コミュニケーションを上手に活用することで、きちん相手に自分の意図を伝えることができるようになるかもしれません。
そこで本記事では、非言語コミュニケーションの代表的な例と、その重要性や影響などについてご紹介します。

非言語コミュニケーションの代表例

コミュニケーションは大きく分けて、言葉や文章を使って伝える言語コミュニケーションと、それ以外の方法で情報を伝える非言語コミュニケーションがあります。このうち、本日のテーマである非言語コミュニケーションの代表例を3つご紹介します。

① 表情や目線

明るい笑顔でほどよく視線を合わせながら会話をするのと、暗い表情のまま一切目線を合わせることなく会話するのとでは、感じ方が大きく変わりますよね。そのため、当たり前ではありますが自分が相手に伝えたい情報に合わせて、表情の作り方と目線の位置を変えることはとても重要です。

② 声のトーンやリズム

声のトーンが高いと元気ではつらつとした印象を与え、低いと落ち着いた印象を与えることができますし、一定のリズムで話すよりも、強調したい部分に抑揚をつけて話すほうが、より感情が伝わりやすくなります。
ちなみに相手の声のトーンや話すスピードに合わせることで、相手に親近感を感じてもらうことができ、お互いの関係性構築に役立ちます。これはミラーリング効果のひとつで、親密な関係を持つ人同士は同じ動作をすることが多いことから、関係性構築を図るテクニックとして効果的とされています。

③ ジェスチャー

身振りや手振りを用いて伝えるジェスチャーは、言葉がうまく出てこない時に非常に有効な伝え方です。例えば言葉が通じない外国で「食べたいこと」を伝えるとき、何かを手に持つ動作のあと、それを口に運び、もぐもぐと口を動かせば、「食べる(eat)」という言葉を発しなくても、自分の思いを相手に伝えることができます。

非言語コミュニケーションはなぜ重要か?

コミュニケーションにまつわる有名な法則のひとつに、メラビアンの法則があります。これは、人がコミュニケーションを取るときにどの要素から、どのくらい情報を得ているかを示したものですが、「言語」という言葉そのものから得ているのはたった7%で、そのほか大部分を占める93%は、うなずきなどの身振りや表情・視線などの視覚から得られる情報や、声の大きさやトーン、間の置き方といった聴覚から得られる情報などの非言語的な部分から得ているとされています。
こうしてみてみると、私たちは日頃のコミュニケーションにおいて、ほぼ言葉以外の部分から相手の気持ちを汲み取っている、といっても過言ではなさそうですよね。

非言語コミュニケーションの影響

それでは実際、非言語コミュニケーションは人にどのような影響を与えるのでしょうか。
わかりやすい例でいうと、明るく相手に聞こえるように笑顔で「あるがとう」と言われるのと、低い声で抑揚なく目線を合わせることなく小さい声で「ありがとう」と言われるのとでは、同じ「ありがとう」でも、前者は言葉通りポジティブに受け取ることが多いかと思いますが、後者では「本当にそう思っているのかな?」とネガティブな印象を受けてしまうのではないでしょうか。
それくらい、非言語情報は言葉以上に意味を持ち、感情を伝えることに大きく影響するということを改めて頭の中に置いて、何かを相手に伝える時には、当たり前のことですが伝えたい内容に合わせた表情や声のトーンで、アイコンタクトや、タイミングの良いうなずきや相づちなどをしつつ、必要に応じて身振り手振りなどで感情を補完すると、自分の思っていることがより相手に伝わりやすくなるのではないかと思います。
特にリモートワークなど、画面越しのコミュニケーションでは視線や細かな表情の変化が掴みにくいため、対面よりも2割増しくらいの感覚で非言語コミュニケーションを取り入れると、効果的に相手に伝わりやすくなるといわれています。
ぜひ皆さんもこれらのポイントを意識して、質の高いコミュニケーションを取っていただければと思います。

ABOUT ME
【シニアコンサルタント】倉科 彩香
【保有資格】健康経営エキスパートアドバイザー 【コメント】前職ではやりがいはあったものの、長時間労働が当たり前の環境で働く中で、ワークライフバランスについて考えるようになりました。今では健康経営エキスパートアドバイザーとして、ストレスチェック結果を活用した職場環境改善に取り組む企業のコンサルティングや、各種セミナー等を行っております。これまでの学びをもとに「健康でいきいきと働く人」を世の中に増やすために役立つ情報をお伝えします。