上司や同僚と気軽に話せないという悩みは、多くの人が抱えている課題です。
ドクタートラストが実施しているストレスチェックのデータから、上司に気軽に話せない人は50%、上司に対して個人的な相談をしても聞いてくれないだろうと感じている人も49.7%と、ともに高い割合であることがわかっています。
なぜ、このような状況が起こっているのでしょうか?
今回は多くの企業が抱える課題に対する対策の具体例をお伝えいたします。
上司と話しづらい原因
そもそも上司と部下は話しづらいものです。
さらに、上司に対する「立場を意識してしまって本音が言いにくい」「弱音を吐くと評価が下がるのでは……」という考えや、過去に相談したもののうまくいかなかった経験があると、より話しかけづらさを助長します。
また、上司はどうしても忙しく、部下も複数いるため、話しかけるタイミングがないこともあるのではないでしょうか。
「忙しくて話す時間がない」「業務連絡のみのやり取りになってしまう」という場合だけでなく、忙しそうな様子から緊張感や陰鬱な雰囲気を感じ取ってしまい、話しづらくなっているケースもあります。
さらに、そもそもの風土に問題がある場合もあります。
閉鎖的な風土により、上意下達が徹底されていると、従業員から意見が言いにくいだけでなく、必要な情報共有の不足から誤解が生まれ、話しづらさの原因となります。
さらに、個人主義的な評価制度が起因して、協調性が阻害されるケースもあるでしょう。
解決策のヒント
1. 心理的な壁を壊す
まずは、話しづらいと感じさせないよう、上司部下ともに意識し合うことが大切です。
部下の話を聞く際に、傾聴する姿勢をもち、相手を批判しないなどの態度を取ることで、お互いに安心して話し合いができます。
また、部下は、「上司も完璧ではなくミスや悩みのある同じ人間だ」と理解することが大切です。
そのため、趣味や出身地など、仕事以外の話をする機会を設けて、親睦を深めていくのも効果的でしょう。
2. コミュニケーション機会を増やす
雑談から信頼関係を築くよう意識することが大切です。
また、忙しく雑談するタイミングがない場合は、1on1ミーティングなど、定期的に個別に話を聞く機会を設けましょう。
「この時なら必ず話を聞いてもらえる」と部下が感じられるのは、話しづらさの解決に向けて大きな一歩になるでしょう。
3. 組織的な改善
こうした個人個人が行う改革では根本的な解決にならないこともあるでしょう。
その場合は、オープンなコミュニケーション文化が醸成されるように組織全体の改革を行うことで、意見交換の活性化が可能です。
例えば、情報共有をスムーズにするようなシステムの導入も良いでしょう。
また、評価制度を見直し、協調性やチームワークを評価することで、より積極的に周囲の人がコミュニケーションを取るきっかけになります。
具体的な取り組み例
以下は実際にさまざまな企業から聞いた実例です。
■毎週「お弁当ランチ交流会」
コミュニケーションを活性化するため、だれでもランチ会を毎週固定で開催。
その日は集まってランチをすることで部署を超えたコミュニケーションが取られるようになりました。
■社内ポータルサイトを作成
掲示板形式の社内ポータルサイトを作成し交流に努めました。
社員もあだ名で登録し、さまざまなイベントなどを告知し合いながら、掲示板では誰にでも話しかけてもいい雰囲気作りや話題提供を行うことで、コミュニケーションの活性化につながりました。
■社内アンケートによる委員会を設置
定期的に社内アンケートを実施し、意見を吸い上げて改善を行う委員会を立ち上げました。
意見を出した人の希望をもとに、みんなで改革を行うことで、「望めば職場が良くなる」という成功体験から、常に良くなる方法を全員が考えられる仕組み作りを行いました。
まとめ
気軽に話せない職場環境は、仕事のパフォーマンスや人間関係に悪影響を及ぼします。
ドクタートラストでは、こうしたストレスチェックから見える課題点をもとにさまざまなセミナーやコンサルティングも実施しています。
もし、自社の結果に気になることがある場合はぜひお問い合わせください。