受検&結果の活用

ストレスチェック結果を年代別に見てみよう!

お問合わせはこちらから

日本の少子高齢化は、予想を超えるスピードで進んでおり、労働力の確保を課題に感じている企業のご担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな人手不足感が強まるなかで、働く意欲のある人が働ける環境を整備することが求められており、そのひとつに高齢者の活躍などがあります。
10代から70代といった幅広い世代が同じ職場で働くなかで、同じ職場で働いているといっても、年代ごとによって考えていること、思っていることはまったく異なるため、ストレスのかかり方も異なります。
そこで今回は、年代別のストレスの違いを、2023年度にドクタートラストの提供するストレスチェックサービスを受検した約47万人分のデータからひも解いていきます。

高ストレス者率が高いのは30代

高ストレス者率とは、ストレスチェックを受検した人のなかで、高ストレス者と判定された人がどのくらいいるかを示した割合です。

高ストレス者率を年代別に見ると、30代に向けて高ストレス者率は増加し、以降は年代を重ねるごとに減少しています。最も高ストレス者率が低いのは70代でした。
今回は2023年度の結果をもとに年代別の高ストレス者率を示していますが、ここ数年は同じように30代が最も高く、山なりの形になっています。

総合健康リスクが高いのは50代

総合健康リスクとは、仕事のストレス要因から起こり得る疾病休業などの健康問題が発生するリスクを表しています。
厚生労働省が定める基準値を100として、数値が大きいほど健康リスクが高いことを示しています。

総合健康リスクを年代別に見ると、最も高いのは50代でした。
そして総合健康リスクは、仕事の量的負担・仕事のコントロール度から算出した「仕事面のリスク」と、上司のサポート・同僚のサポートから算出した「サポート面のリスク」があります。総合健康リスクはこれらを掛けあわせて算出されたものになります。
そこで総合健康リスクを細分化し、年代別に「仕事面のリスク」と「サポート面のリスク」を見てみると、総合健康リスクとは少し違った傾向が見えてきました。

仕事面のリスクで最も高かったのは40代、サポート面のリスクで最も高かったのは60代という結果でした。
仕事面のリスクは10~50代まで概ね近しいリスク値で推移している一方で、サポート面のリスクは年代を重ねるごとにリスク値が高まっています。サポート面のリスクについて最もリスク値が高い60代と、最もリスク値が低い10代との間では、25ポイントもの差がありました。

さいごに

今回は高ストレス者率と健康リスク値から年代別の傾向を見てきました。
高ストレス者率が高いのは30代、総合健康リスク値が高いのは50代、サポート面のリスク値が高いのは60代と、指標によって負荷がかかっている年代が異なる結果であることが分かりました。
これらの結果の背景には、業務量による負荷だけではなく、昇進などによる責任の増加や、役職や立場によるコミュニケーションの難しさ、さらにはライフステージの変化など、さまざまなことが挙げられると思います。
今回の全国平均の傾向と比べて、自社の結果にはどのような特徴があるのかを考えるきっかけにしていただければと思います。

DL
ABOUT ME
【チーフアナリスト】服部 恭子
【職位】チーフアナリスト 【コメント】毎日多くの時間を過ごす職場環境が良いものになるように、また、健康で元気に働き続けられる人が増える社会になるように、ストレスチェックをきっかけに、職場環境改善に取り込もうとする企業様に役立つ情報をお届けできるように努めてまいります。