コミュニケーション

職場環境改善や生産性向上に役立つ「チームビルディング」とは?

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みなさんの会社では、「チームとしてのまとまりがない」「一人ひとりの力が十分に発揮されていない気がする」「なかなか目標が達成できない」といったお悩みを抱えていませんか?
本記事では、そんな方の参考になる「チームビルディング」という組織開発手法についてお伝えしていきます。

チームビルディングとは?

チームビルディングとは、チームメンバーが各々の強みを最大限発揮し、協同し合いながら、一丸となってゴールを目指すチームになるための組織開発手法です。
少子超高齢化が進む日本において、生産性向上はどんな企業においても非常に重要な課題であり、大いに注目されています。

チームビルディングがもたらす効果

チームビルディングでは、以下の効果が期待されます。

① コミュニケーションの活性化

チームビルディングでは、メンバーそれぞれの強みや弱みを知り、凸と凹をうまく組み合わせて協同することを目指します。
そのため、まずは相互理解を深めるべく、とにかくコミュニケーションを取ることが求められ、必然的にチーム内のコミュニケーション活性化につながります。

② モチベーション向上

コミュニケーションを取りながら相互理解を進め、関係性を深めることを続けていくと、徐々に感謝の気持ちを伝え合う動きが生まれ始めるなど、チーム内に良い雰囲気が漂い始めます。
誰しも仕事をしていれば「職場で役に立ちたい」「職場に必要な人間でありたい」という思いはあるもので、そうした風土はメンバーのモチベーション向上へとつながります。

③ 生産性向上

相互理解が進み、お互いの強みと弱みが理解できると、徐々にチーム内での役割が定まっていきます。
すると、「どの場面で自分の強みを生かせるのか」や「チームメンバーの強みを生かせる場面はどこか」といったことをお互いに考えられるようになり、個の力を最大限発揮しながら協同する動きが生まれ、チームとしての生産性向上につながります。

チームの状態を示す5つの段階

ここまでで、チームビルディングは個人にはもちろん、会社にとっても非常に得られるものが多い取り組みであるとわかってもらえたかと思います。
しかし、実際にそのような光り輝くチームへと成長するためには、踏むべき5つの段階があります。
この5つの段階は、アメリカの社会学者であるブルース・W・タックマンが提唱したもので、「タックマンモデル」と呼ばれており、どんなに優秀なメンバーを集めても、チームはこの段階に沿って発達するため、一足飛びに成長することはないといわれています。

形成期
チームが作られたばかりの時期で、メンバーがお互いのことをあまり知らず、不安や緊張感がある。与えられた目標に向かって受動的にとりあえず行動しており、指示待ちの状態。

混乱期
メンバーの本音の意見が出始める。それゆえに対立や衝突も発生し、モヤモヤした気持ちを抱える時期。パフォーマンスが低下する。

統一期
チーム内で相互理解が進み、それぞれの役割やルールが明確になり始める。目標や目的を自分事として捉え、主体的に行動することができる状態となり、徐々に成果が出始める。

機能期
メンバーそれぞれが自らの力を最大限発揮し、お互いの強み弱みを踏まえて協同し合うようになる。これによりチームワークがいかんなく発揮され、最も高いパフォーマンスが期待される。

散会期
目標を達成し、チームが解散する時期。

皆さんのチームはどの期に該当すると感じたでしょうか。

ちなみに、チームビルディングに携わっているコンサルタントによると、なんと「世の中の7割ものチームが第1段階の形成期で留まっている」という驚きの見解を示しています。
形成期におけるメンバーの状態は、お互いのことをよく知らないために遠慮や不安な気持ちを抱え、何かに対して行動を取る際にも、依存や他責になってしまう傾向が強くなります。
そのような状態のままでは、当然自分の力を十分に発揮することもできなければ、チームワークの向上も期待できません。
たとえ発足してから時間が経っていても、上記のような雰囲気を感じるのであれば、そのチームは形成期に該当します。

形成期から次の段階に進むための鍵は「心理的安全性」

チームが第2段階の混乱期に進むには大きな壁があるとわかりました。
それでは、形成期から混乱期へ進むためには、一体何が必要なのでしょうか。
混乱期とは、お互いの意見がぶつかり合い、衝突が生まれる時期で、一見すると発達というよりは後退しているようにも見えますが、形成期と混乱期の違いは「メンバー同士の本音の意見が出ているかどうか」です。

そして本音を言えるかは、心理的安全性があるかどうか」にかかっています。
心理的安全性とは、「この人たちだったら、リスクをとって失敗しても責められたりしない」「この人たちだったら、課題や難しい問題を指摘し合える」といった安心安全な雰囲気や風土のことです。
このような心理的安全性の高い職場では、さまざまなアイディアに溢れ、生産性の向上はもちろん、離職率が低くなることも示されています。
心理的安全性についてはGoogleの研究が有名です。

Google re:Work「効果的なチームとは何か」を知る

ドクタートラストの集団分析では、この心理的安全性が現状チーム内にどれほどあるのかを「TRUSTY SCORE」という指標から確認することが可能です。
ストレスチェックの設問から、心理的安全性を醸成するために必要な職場の雰囲気や風土を問う20問を「尊重・尊敬」「話しやすさ」「問題解決・挽回」「助け合い・挑戦」の4軸に分類し、偏差値化しています。
組織全体やチームごとに、どの要素が満たされ、欠けているのかを把握することで、心理的安全性を醸成するための取り組みを考える参考になるでしょう。

【ドクタートラストの集団分析はこちら】

まとめ

個の力の向上は人材育成の観点からも非常に重要ですが、お互いの力を組み合わせると、より爆発的な効果を生み出すことにつながります。
また、2024年8月に厚生労働省が公表した「令和5年 雇用動向調査結果の概要」によると、なんと男女ともに転職理由の上位に「人間関係が好ましくなかった」がランクインしています。

生産性を高めるだけでなく、退職等のリスクを下げるという視点でも、チームビルディングは非常に有効な取り組みです。
ぜひ皆さんの会社やチームでも取り入れてみてはいかがでしょうか。

DL

<参考>
厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概要」

ABOUT ME
【シニアコンサルタント】倉科 彩香
【保有資格】健康経営エキスパートアドバイザー 【コメント】前職ではやりがいはあったものの、長時間労働が当たり前の環境で働く中で、ワークライフバランスについて考えるようになりました。今では健康経営エキスパートアドバイザーとして、ストレスチェック結果を活用した職場環境改善に取り組む企業のコンサルティングや、各種セミナー等を行っております。これまでの学びをもとに「健康でいきいきと働く人」を世の中に増やすために役立つ情報をお伝えします。