ストレスチェック制度が義務化されてから、今年で10年が経過します。
この義務化の背景には、仕事による強いストレスが原因で精神障害を発症し、労災認定される労働者が増加傾向にあることが挙げられます。
今回は、最新の精神障害に関する労働災害申請状況を出来事別に確認し、ストレスチェックを通じてどのようなアプローチができるのかをご紹介します。
精神障害の出来事別決定および支給決定件数は?
2023年度の決定件数が多かった具体的な出来事の上位3つと、その決定件数、支給決定件数、さらにそれらを基に算出した支給決定割合は以下のとおりです。
- ①対人関係(上司とのトラブルがあった)
決定件数:599件
支給決定件数:21件
支給決定割合:3.5%
- ②パワーハラスメント(上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた)
決定件数:289件
支給決定件数:157件
支給決定割合:54.3%
- ③仕事の量・質(仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった)
決定件数:265件
支給決定件数:100件
支給決定割合:37.7%
※決定件数は、当該年度内に業務上または業務外の決定を行った件数で、当該年度以前に請求があったものを含みます。
※支給決定件数は、決定件数のうち「業務上」と認定した件数です。
参考:厚生労働省「精神障害に関する事案の労災補償状況」
「対人関係(特に上司とのトラブル)」に関する事例は、ほかの出来事にくらべて倍以上の件数を占めていますが、支給決定基準に該当するケースは非常に少ないことがわかります。
精神障害に関する労働災害申請は、その認定基準が特に複雑であり、請求件数が年々増加している中で、労働災害の請求受付から給付決定までには1年以上かかることもあります。
このような状況から、企業における精神障害に関する労働災害の未然防止に向けた取り組みの重要性が一層増しています。
ストレスチェックを通してできるアプローチは?
ストレスチェックの設問には次のような尺度があります。
精神障害に関する労働災害の未然防止に向けて、特に次の尺度が重要だと考えられます。
これらは、職場環境が従業員のメンタルヘルスに与える影響を最小限に抑えるための、基本的な要素です。
ドクタートラストのストレスチェックは、全国平均と比較した尺度ごとの結果をランキング形式で示しているため、改善が必要な項目が明確に把握できます。
さらに、基本料金内でコンサルタントからのフィードバックを実施しており、具体的な改善策やアクションプランをご提案することが可能です。

まとめ
精神障害に関する労働災害の未然防止には、職場環境の改善と早期対応が不可欠です。
ドクタートラストのストレスチェックは課題を明確に把握することができ、具体的なアプローチにつながる改善策をご提供できます。ご興味がございましたら、ぜひ一度お問い合わせください。
<参考>
・厚生労働省「令和5年度『過労死等の労災補償状況』を公表します」
