研究レポート

ブルーマンデー症候群とは?休日の過ごし方に変化をつけよう

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日曜日の夕方、もしくは夜から憂鬱(ゆううつ)な気持ちになることはありませんか。
もしかしたらそれは「ブルーマンデー症候群」かもしれません。
しかし、実はブルーマンデー症候群の原因はすでにストレスチェックの結果により判明しています。
今回は、休み明けの仕事が憂鬱に感じる人の特徴と、すっきりした気持ちで休み明けを迎えるための秘訣をストレスチェック結果と絡めて解説していきます。

ブルーマンデー症候群とは?

ブルーマンデー症候群とは、休日最終日の夕方から休み明けに感じる憂鬱な気持ちのことです。
休日になると仕事から解放され、緊張感がほぐれてリラックスした気分になりますが、日曜日の夜になると、ついつい無意識に明日からの仕事について考えて緊張感が増し、憂鬱な気分になってしまいがちです。
このような状態は「ブルーマンデー(憂鬱な月曜日)」と呼ばれ、世界的に認識されています。

厚生労働省が発表した「令和4年版自殺対策白書」の曜日別平均自殺者数を見ると、自殺者数は男女ともに月曜が最多です。
最も少ない曜日は男性が祝日・年末年始、女性が土曜となっており、ブルーマンデー症候群が結果に大きく関係していると考えられます。

ブルーマンデー症候群になりやすい人は?

次に、ブルーマンデー症候群になりやすい人の特徴を紹介します。

・ 真面目で完璧主義者
・ コミュニケーションが苦手
・ 平日の睡眠時間が少ない
・ 休み前日に昼夜逆転する
・ 休日は家から出ない

仕事で神経質になりやすい人や、休日やその前日に生活リズムを崩してしまう人が要注意ですね。

ブルーマンデー症候群の原因は私たちがついついしてしまう「寝だめ」?

私たちが、疲労を回復するためにしてしまいがちな「寝だめ」ですが、実は体の中のリズムを乱し、余計に疲れが溜まる原因になります。
寝だめをして睡眠時間を十分とったつもりでも日中は頭が働きません。
むしろ体内時計が崩れることにより夜の睡眠が浅くなってしまい、実際は寝不足につながっているのです。
また、日中に寝だめをしてしまうと、外出して日光を浴びるタイミングが無く、ストレス緩和効果があるセロトニンが分泌されないため、ストレスを感じやすくなります。
さらに、セロトニンが不足すると同時に睡眠に必要な要素であるメラトニンも少なくなるため、睡眠の質低下につながってしまい、悪循環に陥ります。

夜に良い睡眠をとるためは、「日中の昼寝は短時間で済ます」「少しの時間でも外に出てリフレッシュをする」など、過ごしかたを意識することが大切です。

ストレスチェック結果より判明したブルーマンデー症候群に多いストレス要因

ブルーマンデー症候群に陥る仕事上でのストレス要因として、以下のものがあげられます。

・ 仕事がつまらない
・ 上司・同僚に気軽に相談や雑談ができない
・ 職場の雰囲気が悪い
・ 失敗をしたら上司からきつく叱られる
・ 業務量が多く毎日残業をしなければならない

このように、ブルーマンデー症候群に陥るストレスの原因はさまざまあります。

ドクタートラストでは、2021年度受検データのなかで、高ストレス者と結びつきが高い(最も不良な回答をした人のうち半数以上が高ストレス者に該当した)設問を導出しています。

・仕事に満足だ
・私の職場の雰囲気は友好的である
・失敗しても挽回(ばんかい)するチャンスがある職場だ
・どのくらい気軽に話ができますか?(職場の同僚)
・上司は誠実な態度で対応してくれる

どれもブルーマンデー症候群の原因となる項目との関連が高いことがわかります。
つまり、ブルーマンデー症候群によって悩みを抱えている人は、すでに高ストレス者になっている、もしくはなる可能性が非常に高いと言えるでしょう。

休日の過ごしかたに変化を~ブルーマンデー症候群を撃退しよう~

休みの日は、普段できないことに時間を費やせるため、ついつい欲張りをしてしまいがちです。
しかし、休日の過ごしかたによっては、平日の仕事に悪影響を与えてしまうことも考えられます。
さまざまな微調整や工夫をして休日を有意義なものにすれば、憂鬱感を平日への活力に変えることができるでしょう。

ブルーマンデー症候群は、私たちの日々の過ごしかたを少し変えるだけで予防することができます。

休日の起床就寝時間を平日と同じ時間帯にする

休日の朝寝坊や長時間の昼寝は生活リズムの乱れにつながります。
どうしても眠気に襲われた場合は、30分以内の軽い昼寝が効果的です。

できる範囲で運動をする

運動をすることで脳がリセットされ、休み明けのやる気に繋がると言われています。
また、脳内ホルモンが分泌されることで心と身体がリラックスして、睡眠リズムが整っていくでしょう。

また、運動不足になると、肥満や体力の低下だけではなく動脈硬化につながり、最悪の場合は心筋梗塞や狭心症にかかるリスクが増大します。
いつもエレベーターを使いがちな方は、階段を使うようにする、帰宅時に遠回りをして軽く散歩をするなどして運動不足改善しましょう。

休み明けのスケジュールを調整する

休み明けに大きなプレゼンテーションがあったり、会議があったりするとついつい休日に仕事のことを考えてしまうでしょう。
どうしても避けられない場合もありますが、できる範囲で業務のコントロールをして、スケジュールの調整を行うことも自身の精神を安定させる1つの方法です。

次の休みの計画を立てる

先々に楽しみな目標を持つことでモチベーションが高まり、集中力やワーク・エンゲイジメント向上につながるでしょう。

まとめ

わたしたちの職場には、ブルーマンデー症候群の原因があちらこちらに散らばっており、誰でも陥る可能性があります。
ストレスチェックのデータからも職場内の雰囲気や人間関係、仕事に対する満足感などがブルーマンデー症候群の発症に大きく関係しているという結果が出ています。
ブルーマンデー症候群が悪化すると、睡眠不足から集中力・パフォーマンスの低下につながり、結果的に会社の生産性や価値の低下を招くでしょう。

このような問題を打開するためにも、企業側は働きやすい職場環境作りが必要です。
また、私たちも休日の過ごしかたに少しの変化を与えて工夫することで、ブルーマンデー症候群を撃退しましょう。

DL


<参考>
厚生労働省「令和4年版自殺対策白書」

ABOUT ME
【アナリスト】押切 愛里
前職で一緒に働いていた上司や同僚がメンタルヘルスに陥っている状況で私自身「改善する方法はないか」「何かしらサポートしたい」と思い、現在は「職場環境改善に効果的な情報」や「ストレスチェック結果から判明した最新情報」を中心に分析・発信しています。今後も多くの人がいきいきと元気に働ける職場づくりをモットーに役立つ情報をお届けします