2021年度、ドクタートラストのストレスチェックは940社、324,642人に受検いただきました。
ストレスチェック制度の目的「職場環境改善」のためには、上司の役割が非常に重要です。本コラムではシリーズで、ストレスチェックの結果をもとに、上司の役割がいかに大切であるか、そして何を求められるかを全3回で解説していきます。
第1回、第2回では、上司からのサポート(=上司との会話の頻度)を基準に、高ストレス判定やほかの設問の関係性を解説いたしました。
■職場環境改善には上司のサポートが重要!究極のメンタル予防
第1回:上司からのサポートと高ストレス者の関係性
第2回:ほかの項目との関係は?
最終回の第3回では、上司に求められる役割を解説していきます。
「一昔前の上司は」とは
一昔前は、上司のやり方が絶対的な側面があったでしょう。
しかし、現在ではSNSや動画コンテンツの普及により、直属の上司に教わらなくてもさまざまな情報が得られる時代になってきています。
さらに転職することに対する抵抗も薄まっていることから「一昔前の上司」に遭遇したら転職を考える人も多いのではないでしょうか?
「今の時代に適した上司のチームへの関わり方」とは?
「今の時代に適した上司のチームへのかかわり方」としては、メンバーのモチベーターとなり、チームを支援することが求められています。
上司という立場上、業務上の指示・命令は当然として、業務指示や業務命令を遂行するメンバーが、自分自身の中でどのように業務を進めるべきことなのか、イメージがあるか否かの確認はとても大事になります。
また、メンバーそれぞれ性格や立場が違いますので、時にはある程度本人に任せ、進捗状況の確認のみに留める場面も必要かもしれません。
メンバーのモチベーターになるための注意点は3点です。
① 一体感のある状態をチーム目標にしない!
逆説的ですが、モチベーターになろうとしたときに、チームの目標として「一体感があるチーム」と掲げないほうが得策でしょう。
といいますのも、「一体感があるチーム」を目標として掲げてしまうと、「仲が良い・優しい・楽しい」だけの馴れ合いのチームになる可能性が否めないためです。馴れ合いだけでは、仕事の成果につながってこないケースも少なくありません。
あくまでも仕事の成果が出ているチームの特徴として、「一体感がある」という特徴があるに過ぎないと思います。
② チームの目標・やるべきことを明確にする!
チームの目標は、仕事における目標で明確にすることをおすすめします。
目標を達成するために、メンバーが協働関係になることがとても大事です。目標を達成したときのメンバーのメリットを提示することで、チームへの貢献度も高まります。
また、メンバーの得意・不得意などを把握しながら、それぞれに合った関わりをすることで、より意識改革につなげることができるでしょう。
③ メンバーを管理ではなく、支援すること!
上司であるがゆえに、メンバーの予定や業務の進捗状況の把握、チームの業務を管理することばかりに終始するのはやめましょう。もちろん管理することも必要ではあります。
縁の下の力持ちのように、チーム全体の支援・メンバー個々の支援が大事です。「部下に主体性がない」という悩みを持たれている上司の方は、ぜひ支援という概念を一層強化いただくと効果的でしょう。
このように上司はモチベーターになることで、チームは大きく変わってきます。
メンバーそれぞれが個人の目標に向かうことで、仕事の成果にもつながります。それがチームの目標にも繋がり、自ずと協働関係が築かれていきます。チームの目標に向けて、協働することで初めて一体感が生まれ、働きやすい環境へと発展します。