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ストレスチェック24万人のデータから判明!コロナ禍でも不調部位のトップはやっぱりココ!

最終更新日 2023-01-10

ストレスチェックの設問には、身体愁訴に関連する11の設問が盛り込まれています。
2020年度に株式会社ドクタートラストが実施したストレスチェックの受検者240,275名の結果を集計したところ、各設問への回答率は以下のとおりであり、働く人がどのような部分に不調を感じているかが明らかとなりました。
<身体愁訴に関連する設問への回答率>
VDT01
出所元:株式会社ドクタートラストが実施した2020年度ストレスチェック受検者240,275名万人の集計データより

およそ半数の人が不調を抱えている!

上図からわかるように、ネガティブな回答(ほとんどいつもある、しばしばある)が圧倒的に多かったのは、1位「目が疲れる」、2位「首筋や肩がこる」でした。
一方、「動機・息切れ」「めまい」「食欲がない」といった項目は不調を訴える人が約6~7%ほどにとどまりました。

VDT02
※ネガティブ回答群:「ほとんどいつもある」「しばしばある」の割合

身体の不調にコロナの影響はない!?

このネガティブな回答は、コロナ禍以前の2019年度のデータと比較してどのような変化があるでしょうか。
実は、変化が見られたのは「目が疲れる」が2.2%減少したことのみ。
1%以上変化が見られた項目はなく、ほぼ同一の結果となりました。
コロナ禍前後で生活様式や職場環境が変わった方も少なくないでしょうが、身体愁訴においては目立つ数値変化はなく、現代人の多くは常に目の疲れ、首肩の凝りにさらされているといえます。

VDT03

慢性的な不調がもたらす損失額は年間約3兆円!

パソコンなどの画面を見つめて作業するVDT作業を長時間続けることによって心身に現れる健康障害のことをVDT症候群といいます。
VDTは、「Visual Display Terminal」の略で、VDT作業とはパソコンをはじめ、タブレット端末やスマートホンなど画面に表示される機器と、キーボードやマウス、タッチ画面などを使った作業のことを指します。
代表的なものに、眼精疲労やドライアイなど目の機能に関する症状、首や肩のこりや痛み、腰痛などの筋肉や骨格系に関する症状、疲労感やメンタル不調といった、精神・神経症状などがあります。

なお、近年の研究で、肩こりや腰痛などによる「痛み」の経済的損失は非常に大きいことが分かっています。「痛み」の症状を抱えながら仕事をした場合、1週間で4.6時間の労働時間を損失することになり、腰痛による損失額は、日本国内だけでも年間約3兆円、また、首周りの不調・肩こりによる損失も約3兆円にのぼるという試算もあります。

ただし、このような慢性的な不調の理由で、仕事を休んで治療することは現実的に難しく、多くの場合は不調を抱えたまま働くことで仕事のパフォーマンス低下を引き起こしています。

パフォーマンスを最大限引き出すための対策

目・首・肩の疲れなどは重要視されにくく、また個人に対応を任せられがちですが、経済損失の大きさを考えると、組織的に痛み対策に取り組む意義は高いでしょう。
たとえば、毎日時間を決めて社内全体でビデオを見ながら簡単なストレッチをする仕組みづくりをするなど、従業員個人のセルフケアに頼るのではなく、組織全体の問題として対策を促していくことが望まれます。

VDT04

★YouTubeも併せてご覧ください!

<参考>
・ Walter F Stewart、Judith A Ricci、Elsbeth Chee、David Morganstein、Richard Lipton「Lost productive time and cost due to common pain conditions in the US workforce」(「JAMA」2003 Nov 12)
・ 日本臓器製薬株式会社「健康経営」

DL

執筆者

【保健師】高橋 さなえ
【保有資格】保健師/看護師/公認心理師/第一種衛生管理者/人間ドック健診情報管理指導士/産業カウンセラー/上級心理カウンセラー
【コメント】ドクタートラスト創業初期メンバーの一人。保健師や公認心理師の目線を活かしてコンサルタント・研修講師として活動中。ストレスチェックは、個人だけのためのものでなく組織の成長や生産性向上に欠かせない重要なツールです。みなさまが思う目指す職場像に近づけるよう、役立つ情報をわかりやすく発信していきます。

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