
「横顔」は口ほどに物を言う?非言語コミュニケーションの絶大な影響力
最終更新日 2023-01-10
いきなりですが、急な仕事で困ったとき、次のどちらに相談しようと思いますか?
① 眉間にしわを寄せている人
② やや口角を上げた状態の人
おそらく「② やや口角を上げた状態の人」を選んだ人が多いでしょう。
この理由には「非言語コミュニケーション」が影響しています。
今回は、職場の雰囲気にもかかわる「非言語コミュニケーション」のしくみをわかりやすく解説します。
横顔が会社全体の風土に影響する理由
皆さんが「① 眉間にしわを寄せている人」を選ばなかったのは、何かトラブルを抱えていそう、忙しそう、そんな人の手を煩わせては悪い気がする、つまり「話しかけづらそう」と感じたからではないでしょうか。
一方で、「② やや口角を上げた状態の人」は、何かを楽し気に考えているようにも、余裕があるようにも見えますね。
実際には表情と裏腹に、眉間にしわを寄せている人のほうが仕事に余裕があり、やや口角を上げた状態の人は切羽詰まった状態かもしれません。
また、眉間にしわを寄せている人は、後輩が話しかけてくれたらいつでも穏やかな笑顔で話を聞くことを心掛けている可能性もあります。
ただし、それは本人と話してみないとわかりません。
人が状況を判断するのはいつでも「横顔」、つまり無意識が醸し出す「雰囲気」なのです。
眉間にしわを寄せている人のように、厳しい表情の人が多い職場は、どうしてもコミュニケーションを取りづらい雰囲気を作り出し、会社全体の風土に影響します。
圧倒的な非言語コミュニケーション
この「横顔」のように、言葉以外で行われるコミュニケーションを非言語コミュニケーションといい、表情のほか仕草や服装なども該当します。
清潔感を感じさせる雰囲気、信頼できそうな雰囲気、そういったさまざまな「雰囲気」を生み出すのは、ほとんどが非言語コミュニケーションによる第一印象です。
アメリカの心理学者、アルバート・メラビアン提唱「メラビアンの法則」(7-38-55ルール)によれば、コミュニケーションにおいて受け取る情報を100としたとき、
・ 視覚による情報(相手の表情や動きなど)が55%
・ 聴覚情報(声のトーンや口調)が38%
・ 言語情報(話の内容)が7%
とされています。
視覚や聴覚による非言語コミュニケーションが93%を占めており、どれだけ言葉を並べたとしても、非言語の領域が作り出す情報の影響力にはかなわないのです。
話しかけやすい雰囲気のポイント2つ
では、無意識の表情が険しくなりがちな人はどうしたらいいのでしょうか。
ポイントは以下の2つです
・ 非言語コミュニケーションで話しかけづらさを打ち砕く
・ 経験により非言語コミュニケーションを乗り越えやすくする
「非言語コミュニケーションによる話しかけづらさを打ち砕く」とは、話しかけやすい雰囲気、つまり冒頭の「やや口角を上げた状態の人」のような表情を作り上げることです。
しかし、問題が一つあります。
皆さんは自分の横顔が周りからどんなふうに見えているか意識したことはあるでしょうか?
会話時などに正面からの表情を意識している人は多いのですが、本音、本心はその人と別れた直後の横顔に表れるといいます。
このように非言語コミュニケーションは無意識下で行われることも多く、常時気を配るのは難しいもの。
そこで効果を発揮するのが2つ目の「経験」です。
たとえば、「話しかけやすかった」と経験、学習をすれば、次回以降に話しかける際のハードル下がります。
雑談を増やして、職場環境をよりよくしよう
話しかけやすい風土醸成のためには「コミュニケーションの活性化」、つまり「誰もが話しかけたことのある状況」が欠かせません。
そこで、明日からできる方法としておすすめなのが雑談です。
普段から雑談をすることにより、コミュニケーションのハードルを下げるとともに、非言語コミュニケーションにより形成されてしまった風土をよりよい状態に改善できます。
雑談を積極的に取り組んだことで、職場環境改善を達成できた企業事例は以下のコラムでご紹介しています。
職場の雰囲気をよりよい状態に変えていきたい。
そう思っていても実現していないのは、もしかしたらあなたの「非言語コミュニケーション」が原因かもしれません。
コミュニケーションの活性化で、よりよい雰囲気の職場をつくってみませんか。
人材育成・組織開発コンサルティングサービス「STELLA」はコミュニケーションを活用した職場環境改善を目指します。
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執筆者

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【保有資格】産業カウンセラー/上級ハラスメントマネージャー
【コメント】典型的なブラック企業で数年働いた経験から「働きがい」や「仕事の楽しさ」は作ることができても、職場環境は一人の力ではつくることはできないと知り、楽しく働き続けられる職場環境に興味を持ちました。現在は産業カウンセラーとしての知識も活かし、多くの企業に携わりながら、皆が楽しく働ける職場づくりを目指しています。