
ストレスチェックを外部委託する場合の業者選びのポイントについて!
最終更新日 2023-01-10
2022/12/02更新
ストレスチェックは、産業医と連携し、集団分析結果から職場環境の改善に取り組むことで、従業員のメンタル不調を予防するめの制度です。
しかし、集団分析は手間がかかり難しいことから、職場改善に活かしたいと考える企業のなかには、ストレスチェックの実施を外部の研究機関や専門業者に委託するところが増えています。
今回は、ストレスチェックを外部委託する際の業者の選び方や費用感などをわかりやすく解説します。
ストレスチェックとは?
ストレスチェックとは従業員のメンタルヘルス対策のための制度であり、従業員数50名以上の事業場で実施が義務づけられています。
厚生労働省の推奨する57問の設問をはじめ、職場や従業員のストレスに関わる設問に回答してもらうことで、高ストレス者か否かを判定します。
ストレスチェックの目的は、従業員が自身のストレスへの気づきを促すことです。
また、企業としても高ストレス者に対して産業医の面談やセルフケアを行うことで、メンタル不調の予防につなげることができます。
ストレスチェックの結果を集団ごとに分析を行い、ストレス要因を把握・改善をすることで、全体のストレス軽減とメンタル不調予防も可能です。
ストレスチェックのやりかたとは?
ストレスチェックのやりかたには「①自社ですべてを行う方法」「②外部委託する方法」の2種類があります。
「①自社ですべて行う方法」を選ぶ場合は、厚生労働省が公開しているマニュアルなどをもとにして進めていきます。
まず、選任している産業医にストレスチェックの「実施者」を依頼し、産業医を含めた衛生委員会で実施方法の決定や設問の作成をして、従業員にストレスチェックの実施を周知しなくてはいけません。
そして、受検後には個人結果をもとに集団分析を行い、職場環境改善に着手していきます。
ストレスチェックの集団分析の実施とその活用には、さまざまな専門知識と手間が必要なので、「ストレスチェックの実施そのものが人事担当者のストレスとなっている」という声も少なくありません。
では、「②外部委託する方法」を選択した場合には、ストレスチェックをどう進めていけばいいのでしょうか。
ストレスチェックは外部委託も可能!
前述のとおり、ストレスチェックの実施方法は「外部委託」も選べます。
実際、ストレスチェックの実施を外部委託することで社内負担を減らすとともに、より効果的な職場環境改善に取り組もうとする企業が増えています。
ここでは、ストレスチェックを外部委託する際、具体的にどのような業務が委託できるかを説明します。
外部委託委託できる業務
外部委託できる業務としては以下の4つがあります。
実施者や実施事務従事者の委託
実施者は産業保健における知識が求められるため、医師・保健師・歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師の資格を有することが条件となっています。
社内にこうした資格を持つ人がいるケースは少ないことから、産業医にお願いできない場合には外部委託するのが望ましいでしょう。
また、実施事務従事者も外部に委託が可能です。
調査票の集計や分析を行うのが実施事務従事者の役割ですが、こうした事務作業こそ専門業者に依頼することで、自社内でのストレスチェックの実施の負担が大きく軽減されます。
面接指導の申し出の勧奨や実施
高ストレス者から申し出があれば産業医などの面接指導を実施しなくてはいけません。
勧奨や実施といった対応は、従業員と産業医の予定を調整するだけでも意外と手間がかかります。
こうした実務を外部委託することで、相談件数などの取りまとめても委託先から報告を受けるだけで済むため、社内では実施に伴う事務作業のみに注力が可能です。
集団分析の実施
ストレスチェックで収集したデータをもとに集団分析を行うためにはさまざまな専門知識が必要なので、専門知識を持つ企業に外部委託を行うのが望ましいでしょう。
より正確に課題を読み解き職場環境改善に活かすことができるほか、委託先によっては必要に合わせた環境改善策の提案を受けられます。
相談窓口の設置やメンタルヘルス教育に伴う研修の実施
ストレスチェックはメンタルヘルス対策としての制度です。
そのため、ストレスチェック実施と合わせて相談窓口を設置したり、メンタルヘルス不調の予防を目的とした研修を行ったりするのが理想です。
相談窓口の設置や、研修が実施可能な業者を外部委託先として選択すれば、より効果の高いメンタル不調予防の取り組みに期待できるでしょう。
外部委託できない業務
ストレスチェックのなかには、外部委託できない業務もあります。
社内の担当窓口の選任
外部委託を行ったとしても、社内に担当窓口は必要です。
すべてを外部委託だけで賄うことはできません。
ストレスチェックを実施する際の方針決定や規定整備、衛生委員会での審議や社内周知など
ストレスチェックに関する規定の整備などは、自社で行う必要があります。
ただし、外部委託先からアドバイスやひな型の提供を受けることは可能です。
従業員のリスト作成など一部事務作業
委託先によっては従業員の一覧のリスト作成など、ストレスチェックを行うために必要な情報をとりまとめ、外部委託先へ提供する必要があります。
しかし、リストを提出すれば受検のためのURLなどを従業員に個別にメール等で配布してくれるなど、実施に伴う業務は大きく軽減されます。
実際の職場環境改善
外部委託先のコンサルタントなどから、今後どのような職場環境改善を行っていくべきなのかなどのアドバイスや改善策提案を受けることはできます。
しかし、実際に職場環境改善を実施するのは社内の方々です。
実際に改善を行っていくのは自分たちなのだという意識を持つ必要があります。
ほかにも、就業上の対応や実施報告書の提出など、外部委託先では対応できない業務も一部あります。
しかし、委託先によってはひな形の提供などでサポートしてもらえることもあるため、どこまでを引き受けてもらえるかは必ず確認しましょう。
ストレスチェックを業者に外部委託する際の6つのポイント
ここまでは、ストレスチェック実施にあたり外部に委託できること、できないことを解説しました。
これらを踏まえて、ストレスチェックを外部委託する際には、以下の点を確認しましょう。
トータルサポートが可能か
ストレスチェックの業務のうち、実際にどこまで対応をしてもらえるのかは必ず確認しましょう。
「受検のためのキットを提供してくれるだけ」「受検に伴うアドバイスやサポートを受けられる」「詳細な集団分析を行ってもらえる」など、サポートの範囲は業者によってさまざまです。
実際にストレスチェックを外部委託する際は、トータルでサポートが可能な業者を選ぶことをおすすめいたします。
自社に適したアドバイスがもらえるか
ストレスチェックの結果をもとに集団分析したとして、適切なアドバイスをもらえるかどうかが外部委託先によって異なります。
なかには「集団分析結果の冊子を渡して終わり」といった業者もあるので注意が必要です。
職場改善のアドバイスももらえるか
結果をもとに職場環境改善を行うため、外部委託先からアドバイスがもらえるのかも大切なポイントです。
実績が豊富な業者であれば、同業他社での事例を教えてくれるなど、さまざまな改善方法について提案を受けることができるでしょう。
より効果的なストレスチェック実施のため、アドバイスの有無は大きなポイントといえます。
実施方法は選べるか
現在ではマークシートなど紙での受検のほか、PCやスマートフォンを利用してWEB上で受検をする方法もあります。
デスクワークや若手の多い職場ではWEB受検を選択するケースが多いですが、個々人にPCが貸与されていない店舗や、年配の多い職場環境ではマークシートの受検を希望するケースも多くあります。
紙とWEBどちらも利用したいといったリクエストに応えてもらえるかも確認しましょう。
また、設問についても57問か80問か、オリジナルの質問を追加しての分析は可能かなど、さまざまな選択肢があります。
どんな形式での受検が受検者の負担になりづらいか、ほしい情報を得られるかなども考慮して外部委託先を選びましょう。
委託費用は適切か
費用についても企業やサービスによって大きく異なります。
1人あたり500円で対応するなど、比較的安価な記載があったとしても、その金額にどこまでのサービスが含まれるかにも注意しましょう。
分析や高ストレス者の面談の有無などは、別料金とされているケースもあります。
事前の見積もりを必ず行いましょう。
信頼できる業者か
従業員のストレスチェック結果は、機微な個人情報に分類されます。
そうしたデータを取扱うにあたって、情報流出などの不適切な運用があってはいけません。
たとえば「Pマーク」の取得がなされているか、担当者の対応などについても十分に確認する必要があります。
ドクタートラストのストレスチェックサービスは、2021年度ストレスチェック実施組織数が940組織、有効受検者数は324,642人となり、累計受検者数は122万人を超えました。
受検方法はWEBやマークシートなどを柔軟に選択でき、質問も80問版、57問版をどちらも同額で選べるほか、自由に追加質問や分析軸の追加も可能です。
また、数多くの組織でのストレスチェック結果を分析してきたノウハウを生かして、どこよりもわかりやすい分析結果冊子の提供、また結果をお出しする際にコンサルタントから無料での結果についてのフィードバックを受けることができるため、結職場環境改善にスムーズに取り組むことが可能です。
産業医のご紹介をはじめ、企業の健康管理をトータルでサポートし続けてきた実績を生かした、価値のあるストレスチェック実施をお約束いたします。
ストレスチェックサービス特設サイト
ストレスチェックと合わせて利用したいおすすめのサービス
ドクタートラストではストレスチェックと合わせてさまざまなサービスのご提案が可能です。
ドクタートラストのサービス一覧
人材育成・組織開発コンサルティングサービス「STELLA」
ドクタートラストのストレスチェックでは「周囲に良い影響を与え、自らもいきいき働くことができているSTELLA人材」の抽出が可能です。
高ストレス者の対局ともいえるSTELLAが各部署や年代にいるかを分析できるほか、こうしたSTELLAを育成することで職場環境をより改善していく職場環境改善プログラム、人材育成・組織開発コンサルティングサービス「STELLA」を提供しています。
いきいきしている人を職場に増やすという観点から職場環境改善に取り組んでみるのはいかがでしょうか。
人材育成・組織開発コンサルティングサービス「STELLA」については以下をご覧ください。
STELLA特設サイト
ストレスチェック結果報告会の実施
ストレスチェックの集団分析結果を経営層や管理職向けにコンサルタントからご報告を差し上げるサービスです。
職場環境改善では「いかに経営層が集団の課題を適切に理解できているか」がポイントとなります。
一度報告会を行うことで、今後どのような形で職場環境改善に取組めばいいのかが明確になるため、ストレスチェック実施と合わせて、報告会の実施がおすすめです。
外部相談窓口サービス[アンリ]
ドクタートラストのストレスチェックを受検した後は、約1ヶ月の期間にわたり、保健師や専門職による外部相談窓口サービス[アンリ]を無償でご活用いただけます。
受検期間後もご好評いただき、継続をご希望される方の多いサービスです。
外部相談窓口サービス[アンリ]特設サイト
保健師による健康管理業務
その他、アサーションやレジリエンス、生活習慣の改善など、従業員のストレス傾向に合わせて保健師などの専門職からセミナーの実施も可能です。
保健師サービス特設サイト
まとめ
ストレスチェックを外部委託することで、職場環境改善がスムーズになります。
自社でどんなストレスチェックが望ましいのか、どんなサービスを受けたいと感じているのかをもとに外部委託先を選ぶことをおすすめします。
ぜひドクタートラストのストレスチェックを活用してもらえたら幸いです。
執筆者

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【保有資格】産業カウンセラー/上級ハラスメントマネージャー
【コメント】典型的なブラック企業で数年働いた経験から「働きがい」や「仕事の楽しさ」は作ることができても、職場環境は一人の力ではつくることはできないと知り、楽しく働き続けられる職場環境に興味を持ちました。現在は産業カウンセラーとしての知識も活かし、多くの企業に携わりながら、皆が楽しく働ける職場づくりを目指しています。