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ちゃんと共有している?部門長にも集団分析結果を共有して、職場環境改善に役立てよう!

ちゃんと共有している?部門長にも集団分析結果を共有して、職場環境改善に役立てよう!

最終更新日 2023-01-10

ストレスチェックの集団分析と、その結果のフィードバックは職場環境改善に必要なステップですが、「結果をどこまで展開していいのか」「どんな内容を伝えればいいのか」という点はかなり多くのご担当者様が気にされている問題です。
今回は、集団分析の結果を職場環境改善に活かすための共有方法についてお伝えいたします。

集団分析結果はどこまで展開するべきか

職場環境を改善するためには、現状を正確に把握することが何よりも求められますが、いったいどこまでの範囲で展開すればよいのでしょうか。
これは、会社としてどこまで職場環境改善を行おうと考えているかによって変わりますが、基本的には以下のような流れをおすすめいたします。

① 経営層

当然ですが、経営層にはすべての結果の開示をおすすめいたします。
集団分析の結果からは、従業員全体のストレス状況のほか、部署によるマネジメントの偏りがないか、従業員がどういったことをストレスに感じているのか(ストレス要因)、またエンゲージメントやハラスメントなどについて把握することができます。
さらに、部署ごとに分析を行った場合には、部署ごとのマネジメントやストレスの状況なども把握することもできます。
これらは、経営層にとっては大きな価値を持つデータと言えるでしょう。
経営層が集団分析結果をしっかりと読み解き、結果から導き出された課題を正確に捉えて改善に動き出すことが、職場環境改善への第一歩です。

② 部門長

部門や支店などのくくりで詳細な分析をした際に、部門長に対してはどの程度の結果を開示するべきでしょうか。
部門長には「自身の部門の結果」のみの開示をおすすめします。
すべての部署の詳細な結果を開示してしまうと、他の部署との比較などに目が行ってしまい、「うちの部署よりあの部署のほうがひどいはずだからおかしい」「あの部署には高ストレス者がいるからマネジメントが良くないのではないか」など、自部署の状況を正しく把握できなくなる可能性があります。
あくまで大切なのは「自部署の結果」であり、自分自身の部署に所属する従業員がどう感じているかの把握です。
部門長には自身の部署の状況を正確に把握して、改善に取り組んでもらう必要があります。

③ 部門長以下の一般社員

会社によって方針が異なりますが、公開する企業もあるようです。
一部の情報は、自分自身の状況を客観的に把握し、自身の状況改善に向けて職場環境改善に取り組んでくれる助けになるかもしれません。
しかし、機微情報ゆえに、一般の社員に共有する際には取り扱いや読み解き方、何のために共有をするのかといった内容を適切に伝える必要があります。

内容はどこまで共有するべき?

公開する範囲は前述したとおりですが、部門長にはどの内容までは共有すべきでしょうか。
以下の情報を伝えるとより理解が深まります。

① 高ストレス者数・率や健康リスクの数値

高ストレス者率を伝えることは、部署内のストレスの度合いの把握につながります。
部署のストレス度合いが高いままでは、従業員たちの疲労や体調不良につながり、重大な疾病を招く可能性もあります。

② ストレス要因の把握

ストレスチェックにおける42尺度の平均点の共有が必要です。

<尺度とは>
ストレスチェックで測ることのできるメンタルヘルス不調に影響を及ぼすと考えられる因⼦のものさしのこと。
57設問では20の尺度が、80設問では42の尺度がある。(例︓「仕事の量的負担」「職場の対⼈関係」など)
出所:株式会社ドクタートラスト「ストレスチェックの集団分析を活用した職場環境改善の取り組み方」

ストレスチェックでは、数値が高いほど不良な状態となります。
点数はその尺度について従業員がどう感じているかをあらわしており、特に不良な数値を示した尺度に関しては、ストレス要因となっているため改善を目指す必要があります。

③ ハラスメントやエンゲージメントの回答傾向

ハラスメントやエンゲージメント尺度の回答傾向を知ることは、その部署の現状把握において大きな意味を持ちます。
ハラスメントがあると感じている従業員が1人でもいる場合には、対策を考える必要があるでしょう。
また、エンゲージメントが低い時には、そのほかの尺度の傾向と照らし合わせて、なぜ低下しているのかを把握し、改善する必要があります。

よりわかりやすく共有するためには

ドクタートラストのストレスチェックでは、部門長への共有や経営層が部署ごとの結果比較を行うための資料として、ヒートマップや部署別サマリーシートを作成しています。
また、ストレスチェックの平均値をより分かりやすくするため、累計120万人の分析をもとに、結果を偏差値として算出しています。
偏差値による全国との比較は、自社のストレス状況の的確な把握につながるでしょう。。
ハラスメントについても、回答の内訳を示す資料もあるため、「職場で私はいじめにあっている」という質問に対して「そうだ」「まあそうだ」と答えた人員が何人いるのかを知ることもできます。


サマリーシートでは経年での結果比較が可能なため、結果が悪化してしまった原因把握にもつながりますし、よりわかりやすい表記の資料を使って共有を行えば、スムーズな課題の把握と施策の提案をすることができます。
ドクタートラストのストレスチェックでは、集団分析結果をコンサルタントからフィードバックしてもらうサービスもあります。

外部委託での効果的なストレスチェックを行う際には、どこまで資料を展開するか、また展開する資料のわかりやすさを考えた業者の選択をおすすめいたします。

DL

執筆者

【シニアコンサルタント】大沼 文音
【保有資格】産業カウンセラー/上級ハラスメントマネージャー
【コメント】典型的なブラック企業で数年働いた経験から「働きがい」や「仕事の楽しさ」は作ることができても、職場環境は一人の力ではつくることはできないと知り、楽しく働き続けられる職場環境に興味を持ちました。現在は産業カウンセラーとしての知識も活かし、多くの企業に携わりながら、皆が楽しく働ける職場づくりを目指しています。

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