
ストレスチェックとエンゲイジメントサーベイの違い、効果的な使い方を解説
最終更新日 2023-01-10
皆さんは、「ストレスチェック」と「エンゲイジメントサーベイ」をご存じでしょうか。
これらのサーベイは上手く活用することで、従業員が健康でいきいきと、生産性高く働けるようになるために必要な要素が何かと、どんな取り組みを行うべきかを把握するのにとても役立ちます。
そこで本記事では、そもそもこれらサーベイとは何なのか、その目的と効果をご紹介します。
ストレスチェックと、エンゲイジメントサーベイの違いって何?
ストレスチェックは実施が義務化されてから久しいためご存じの方も多いかと思いますが、もしかしたらエンゲイジメントサーベイについてはどんなものかよくわからないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
エンゲイジメントとは直訳すると、「婚約」や「約束」を意味する言葉です。転じてビジネスシーンでは、「会社に対する愛着や思い入れの度合い」といった意味合いを持ち、生産性向上にも寄与するとして非常に注目されている概念です。
これら2つのサーベイは、どちらも従業員や組織の状態を把握するために非常に有効なのですが、それぞれ目的が異なります。
ストレスチェックの目的
ストレスチェックは常時雇用する労働者が50名以上の事業場で年に1回の実施が義務となっているサーベイです。
ストレスチェックの目的は、受検者と企業で異なります。
受検者:自分自身のストレス状況を把握し、フィジカル、メンタルの不調を未然に防ぐためのセルフケアに役立てること。
企業:集団分析から組織の状況を把握し、職場環境改善に役立てること。
エンゲイジメントサーベイの目的
エンゲイジメントサーベイは、エンゲイジメント(会社に対する愛着や思い入れの度合い)の向上に必要な要素を明らかにして、必要な取り組みを行い、従業員のエンゲイジメントを高め、企業の生産性向上に役立てることを目的としています。
つまり、どちらも従業員がいきいき働くために必要な要素や課題を明らかにし、職場環境改善を行うことが目的ではありますが、より従業員のストレス状況に特化したのがストレスチェックで、よりエンゲイジメントに特化したのがエンゲイジメントサーベイ、というイメージです。
エンゲイジメントを高めることはメンタルヘルス対策にも有効
ここまでで各サーベイの目的の違いをご理解いただけたかと思いますので、続いてはエンゲイジメント向上が従業員のストレスやメンタルヘルスにどのような影響を及ぼすのか、ストレスチェックのデータを踏まえて見ていきましょう。
ストレスチェックはエンゲイジメント向上にも使える?
ドクタートラストでは毎年多くの企業・団体のストレスチェックを実施しており、累計122万人超のビッグデータをもとに、日々さまざまなデータ分析を行っています。ストレスチェックの中には「ワーク・エンゲイジメント」という尺度があるため、従業員のエンゲイジメント状態についても知ることができるようになっているのですが、このデータを用いて分析を行ったところ、どの職場においても一定数、「心身の健康状態が良好で、エンゲイジメントやストレス耐性が高く、物事に対して柔軟に対応できる人達」が存在することを突き止めました。
もちろん、ストレス状態と貢献意欲は完全に相関するわけではありませんが、エンゲイジメントの高い人はストレスを感じることが少なく、働きがいや誇りを感じ、仕事への満足感が高いといった回答傾向がストレスチェックデータから見て取れます。
https://stella-sc.jp/aboutstella/
ドクタートラストではこのような人材を、自分自身がいきいきと健康に働きながら、周囲に良い影響を与える人材「STELLA」と定義しています。
そして、この「STELLA」となり得る人を、ストレスチェック結果などを参考に「STELLA候補者」として抽出。
彼らを対象にドクタートラストのコンサルタントがエンゲイジメントを高めるためのノウハウを伝え、それを周囲に拡散していくことでチームや組織全体の活性化を目指す、「人材育成・組織開発コンサルティングサービスSTELLA」を実施し、企業のストレス予防やエンゲイジメント向上に取り組んでいます。
まとめ
世の中にはさまざまなサーベイが存在しますが、それぞれ上手く組み合わせて活用することで、ストレス予防や、根本的な意識改革、ポジティブメンタルヘルスに取り組むことが可能になります。
長年日本では終身雇用や年功序列といった人事制度が採用されてきましたが、近年は成果主義や少子超高齢化社会における人材不足といったさまざまな変化に伴い、優秀な人ほどより好待遇な職場に転職をしていくということが多くなってきています。
そうした人材を確保するために必要なことは多々ありますが、エンゲイジメント向上は確実にその中の一要素です。
従業員の生産性向上はもちろん、優秀な人材を確保する上でも非常に重要な一石二鳥の取り組みですので、ぜひ本記事を参考に取り組みを行っていただければと思います。
執筆者

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【保有資格】健康経営エキスパートアドバイザー
【コメント】前職ではやりがいはあったものの、長時間労働が当たり前の環境で働く中で、ワークライフバランスについて考えるようになりました。今では健康経営エキスパートアドバイザーとして、ストレスチェック結果を活用した職場環境改善に取り組む企業のコンサルティングや、各種セミナー等を行っております。これまでの学びをもとに「健康でいきいきと働く人」を世の中に増やすために役立つ情報をお伝えします。
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