職場環境優良法人2023

【回答者数101人以上500人以下部門】
ファイナンシャルアライアンス株式会社さま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2023年度ストレスチェックにおいて職場環境優良法人(回答者数101人以上500人以下部門)を受賞されたファイナンシャルアライアンス株式会社さまの鳥潟英城さま(代表取締役社長)、渡邉一郎さま(業務管理部 課長)にお話を伺いました。

ドクタートラスト担当の上田からファイナンシャルアライアンス株式会社代表取締役社長の鳥潟英城さまへ記念の盾を贈呈!

ファイナンシャルアライアンスさまはどのような会社なのかを教えてください


鳥潟さま:当社は、さまざまな保険会社さんの300以上の保険商品(生命保険、損害保険)をお客さまの求めに応じて提案し、お申し込みいただく「乗合代理店」という業態の会社です。現在は、全国67拠点におよそ1,600人の社員が在籍しています。
一般の事業会社さんの場合は、固定給かつ評価制度を設けているのに対して、当社はフルコミッションかつ評価制度を一切持ってない点が特徴です。
また、事業計画を立てずに進んできている会社になり、それがために営業マンにも月次ノルマなどを一切課していません。理由としては、借入なしで会社を創業できたこと、事業体として上場を目指していないこと、保険会社さんからの出資といった動きがなかったために外部と金銭的につながることがなく、借入金の返済計画などを立てる必要がなかったといったことが挙げられます。
こうした状況下でも従業員数は増え、それに伴って売り上げも増加しており、ストレス的にはかなりフリーに働けているのかなと今回のストレスチェック結果を見ても感じています。

フルコミッション制ということは、みなさん独立心を持ってお仕事をされているイメージが浮かびます


鳥潟さま:おっしゃるように社員は独立心が旺盛で、組織の評価で成長することよりも、どちらかというと少しリスクを取ってでも自由な動き方の中で自分を成長させたい、収入を大きくさせたいといったアントレプレナー精神を持ち合わせた事業意欲が高い人が多いです。
たとえば商業施設などで見かける保険屋さん、いわゆる来店型保険代理店は、東京の店舗で話を聞いても、新潟や名古屋の店舗で話を聞いても、基本的には同じ商品の提案がなされるのに対して、我々の場合は、「訪問型保険代理店」というのですが、営業マンのAさん、Bさんに同じ相談をしたとしても、提案される商品は若干異なる可能性があります。属人性が強く、ある程度個人の裁量に委ねられているのもまた当社の特徴の一つといえます。

裁量の高さが、働きやすさにかなりつながっていそうです。そうしたなかでメンタルヘルス対策やコミュニケーション施策はなさっていますか


鳥潟さま:メンタルヘルスの問題が起こりうる可能性が高いのは、本社の内勤職およそ40名、あとは各支店の事務員など、固定給で働いている社員であると見ています。彼らについては、今のところ対話などのコミュニケーションである程度カバー、ケアができており、メンタル的に困った状況になった事例はほぼありません。ご家庭の問題やご病気などでの相談はあるものの、何か指示を受けてしなくてはいけない業務が圧倒的に少ないため、楽しそうに仕事をされている印象です。
また、集団分析結果を見ますと「収入の安定」にかかわる設問は、あまりよい結果ではありませんでした。先ほど申し上げたように営業マンはフルコミッション制ですので、頑張ればどこまででも稼げる一方で、成績が収入に直結する不安定さが否めないためです。固定給ではない分、彼らの不安は明日、来月、来年までこの収入を維持できるかといった点にあります。自分を成長させるとか、売り上げを増やすための施策なりやり方がわからなければ、それが不安に直結しますので、活動と収入が見合うかどうかの関心はすごく高いと思います。

代表取締役社長 鳥潟英城さま

お話を伺っていると、働き方が合致する人には本当にいい職場、環境という印象です。今のお話にありました「対話」は具体的にはどのようなことをされているのでしょうか


鳥潟さま:やはり人間、関心を持たれていない状況が一番つらいと思いますので、これは創業者である会長もやっていることですが、気がついたら社員に声をかけるようにしています。ちょっとした雑談から近況を聞くこともあります。また、職責上位者からなるべく話しかけるようにするなどは意識して行うようにしています。

確かに気にかけてもらえる状態はありがたいです


鳥潟さま:東京だけで営業マンはおよそ230人在籍しているものの、全員がオフィスに一斉出社することがないため、メンバー同士で車座になって語らうような機会もほとんどありません。そうしたなかで「もうちょっと横の顔がわかるようにしてほしい、社員同士で対話がしたい」などの要望が定期的に上がってきたことから、夕方に20人ぐらいを招集、勉強会を開催し、その後に簡単な懇親会に行って、知り合いになるきっかけづくりを今は進めています。

ちなみに営業マンの方々は成績を競うライバル関係になるのでしょうか


鳥潟さま:仲間ですね。一応、順位はつくのですが、営業マンおよそ1,400人のなかで1位だ2位だといっても所属する拠点が違えば普段は顔を合わせることもありませんので、一般的にいうようなライバル心が生まれるようなことはなく、互いに取り組み内容を教えてもらって参考にしているような関係です。

話は少し変わりまして、ストレスチェックの感想を伺えますか


渡邉さま:当社の状況、および取り組んできたことの結果が集団分析という形で可視化された点では大きな価値を感じました。

鳥潟さま:私はかつて当社の取引先である保険会社側に所属、当時は常に数字に追われ、ものすごいストレスを抱えるのが当たり前の環境でした。もしその時にストレスチェック制度があった場合に想定される結果と、今の現況をくらべたときに、自分が考えている「この会社に移ってきてよかった」という部分が、集団分析結果によって客観的な数値として示されており、個人的には非常に満足度が高かったです。
また、先ほど申し上げたように「収入の安定」などで一般的な事業会社さんとは大きく異なる結果が出るなど、働いている方たちの声が数値として反映されたのは、非常に有益だったと思っています。

渡邉さま:事務職員については、一般の事業会社さんと同じように固定給でして、ほとんど残業もない環境で仕事をしています。比較的大人の会社といいますか、全員中途採用ですし、保険会社さんで営業職だった方など、いろんな経験をされてきた方が多く、もちろん個人差はありますし、ストレスを抱えている方もいらっしゃるとは思うのですが、過度に抱えていらっしゃる方はいないとみています。

会社のことを理解して入社される方が多いことも奏功している感じがします


鳥潟さま:そうですね。透明性といいましょうか、営業マンに対しても事務職員に対しても、会社としてそこまで干渉することはありませんし、土日に無理やり仕事をする必要もありません。よっぽどでない限り17時ないしは18時には残った仕事を次の日に回して帰ってもいいとお伝えをしています。物足りなさを感じて退職される方はいらっしゃるかもしれませんが「仕事がきついからやめる」ことは多分ないと思っています。自分を厳しく律することができて、なおかつ自分の時間を確保したい方であれば、とても働きやすい環境である気がしています。

ありがとうございます。最後に今後の展望などを教えてください


鳥潟さま:従業員に「リーダーシップ感」に触れてもらう機会の構築を現在は考えています。職責が上がり管理職になると、日々の業務をこなすためのマネジメントは皆さんきちんとこなすのですが、一方で、自ら考えてリーダーとして引っ張っていく感覚は、経験から培われる面が大きいと考えています。そこでまず本社の内勤職およそ40人の一部を対象として4時間程度の体験型トレーニングを企画しています。ここで彼らに気づきが生まれて言語化できるようになれば、周りに対していい影響が広がるとみており、こうした人材育成の取り組みによって、組織として成長が加速していくことを期待しています。

ファイナンシャルアライアンス株式会社
2005年設立。全国に67の拠点を持ち、生命保険会社29社、損害保険会社16社と業界トップクラスの商品数を取り扱うトータル・インシュアランス・カンパニー。
公式サイト:https://www.fa-a.co.jp/