職場環境優良法人2021
【回答者数501人〜1,000人部門】
株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンさま
ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2021年度ストレスチェックにおいて、職場環境優良法人(回答者数501名以上1,000名以下部門)を受賞した株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンの佐竹 和枝さま(人事本部 本部長)、牧野 克彦さま(マーケティング部 部長)、光永 理麻さま(人事本部 総務課)に、独自の社内文化やコミュニケーション施策などについて伺いました。
最初にコロンビアスポーツウェアジャパンさんの社風、雰囲気を教えてください
牧野さま:コロンビアスポーツウェアジャパンは今から25年前、1997年に米国コロンビアスポーツウェアカンパニーの日本法人として設立されました。スターティングメンバーは10人弱でしたが、規模拡大を続け、現在は本社スタッフ約160人、店舗スタッフ約600人が在籍しています。
6年ほど前から新卒採用を実施しているものの、設立当初より中途社員の採用が基本です。もともと登山メーカーとして立ち上がった会社ですから、社員にはアウトドア畑から転職してきた人もいますが、それだけに限らず、ファッション分野から来られた人、まったく別の業界出身者もいて、全体としてバランスの取れた文化が醸成されているといえます。
バックグラウンドがさまざまな方が集まりますと、会社の文化としても厚みが増しますよね!
牧野さま:アウトドアといえば楽しく、リラックスしているシーンです。そうした場に、ウェアやギアを提供する業種ですから、提供する側のマインドとして明るい風土が備わっていると感じます。
それから若干私見になりますけれども、私自身も含め、社員の大半が業務時間中も自社製品であるアウトドアウェアを着用しています。快適さや動きやすさといった機能性が重視された衣類ですから、こういったものを着て仕事をしていること自体が快適だと思います。もちろん働くうえでのストレスはありますが、一方で、衣服による「暑い」「寒い」などのストレスが少ない状態で仕事ができているのではないでしょうか。
「オフィス用の服」って必ずしも快適と言い切れないので……少し、いえ、かなりうらやましいです!
コロンビアスポーツウェアジャパンさんは全国に店舗展開されていると存じます。こうした状況下で、メンタルヘルス面や、コミュニケーション面で取り組んでいらっしゃることなどはありますか?
佐竹さま:メンタルヘルスを含めた全般的な健康対策としては、ストア社員に向けて、Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)を8月に導入しました。これは自分の健康に不安があれば、保健師さんにチャットで気軽に相談できるもので、深刻な場合には産業医の先生、あるいは人事部門につないでいただいています。全国に133の店舗がありますので、こうした健康管理システムを利用していただく形で社員をサポートしています。
悩みや不調を抱えている方を産業医の先生や人事部門につなげるしくみは大事ですね!
佐竹さま:また、四半期に1回、社長が社員に会社の状況を説明する「コミュニケーションミーティング」が行われています。期初ですと、売上目標や利益目標などが、期中であれば進捗状況、何が売り上げに影響を及ぼしているのかなどの分析も含め、つまびらかにしています。経営層と社員のゴールがリンクするといいますか、会社の状態が社員にも共有される点では、コミュニケーションの施策といえるでしょう。
進捗や目指す姿をすり合わせることで経営層と社員の信頼も向上しますし、自分たちの目指す場所がわかることで、働くうえでのストレスも減りそうです
牧野さま:コロナ禍以降は開催できていませんが、本社スタッフと店長クラスのスタッフ、総勢200人でバーベキューや登山を年に一度行う「アクティビティ」があります。たとえば高尾山登山の場合、複数のルートに分散して登り、山頂で合流、下山途中のビアガーデンでパーティーを開催しました。
ただ、登山は当日の天候に左右されやすいものですから、台風の影響で2年連続実施できなかったときは、「今年こそはアクティビティやりたい」と、屋内の体育館で運動会を実施しました。「アウトドア障害物競争」というのでしょうか、途中で靴底が分厚いスノー用ブーツを履き、さらにおもりが入ったリュックサックを背負って走るような競技もありました(笑)。
運動会であってもアウトドアカラーが入ってくるのが御社ならではですね
佐竹さま:このほかの特徴的な取り組みとしては、毎年の調査「Speak Up Survey」が挙げられます。イメージとしては、エンゲイジメントサーベイに近い調査内容で、「ディレクションがクリアか」や「マネジメントのサポートが充分か」、「福利厚生がニーズに合っているか」、「ここでは、どこが出したか、誰が提案したかに関係なく優れたアイディアが採用される」といったダイバーシティ&インクルージョンに関わる質問を含めた24の質問に社員が回答します。
無記名方式であるため個人の特定はできませんが、勤続年数や年代など、さまざまな軸からの結果が得られます。また、グローバルで展開している施策になりますので、世界レベルでの比較分析、経年分析なども可能です。
各部門長にはこの結果に基づいて、強化、改善のためのアクションプランを作成いただき、さらに部門のメンバーには、アクションプランを実行するためのアイディアを募る流れで活用しています。
お話を伺っていますと、「Speak Up Survey」がストレスチェック制度とかなり似ているように感じました
佐竹さま:仰るとおりです。ただ、「Speak Up Survey」は6月ごろ、ストレスチェックは10~11月ごろと実施時期が分散しており、設問内容に相違があることから、両者をうまく活用できているといえます。
ストレスチェックについては、当社のサービスを数年にわたりご利用いただいています。お付き合いに至った経緯を教えていただけますでしょうか?
光永さま:ドクタートラストさんにストレスチェックをお願いする前は、別の会社さんを利用していたのですが、紙ベースであったために、単価が少々高い、回答率の伸び悩み、といった課題を抱えていました。
ストレスチェック制度は50名以上の事業場に実施義務が課されていることから、店舗は実施対象に該当しません。しかし全員の意見を集約すべく、店舗スタッフにも調査票を送っていたものの、決して回収率がよいとは言えない状況でした。
そうしたなか、中途入社された方が「前職ではドクタートラストを使っていたよ」と勧めてくれたことから見積りを依頼、リーズナブルな金額を提示くださったことが、決め手の一つです。
ありがとうございます!受検方式も紙からからウェブに変更されていますが、結果はいかがでしょうか?
光永さま:紙の調査票は両面印刷だったので、裏面の設問に気づかず片面だけ回答・提出してしまい無効となるケースもしばしばありましたが、ウェブですと回答漏れがないので回答率は上昇しました。また、ストレスチェックに携わる者としては、ウェブに切り替えたことで、調査票発送や、受検後のとりまとめといった負担、手間が大きく軽減したのも助かっています。
受検者の視点としては、受検後、その場ですぐに結果がわかる点は、ありがたいポイントと感じています。
「Speak Up Survey」では、結果にもとづいたアクションプランの作成などをされていますが、ストレスチェックの集団分析結果は、どのように活かしていますか?
佐竹さま:ストレスチェックの集団分析結果は、気になるところを中心に部門長に共有しています。先にご紹介しました、ストア社員向けの従業員支援プログラムの導入も、集団分析結果からの判断です。
今は長時間労働をしてでも結果を出す時代から、「職場のウェルビーイングを高める」時代にシフトしています。HRでは集団分析結果を積極的に活用しながら、自分らしく働ける職場環境づくりに注力してまいります。
「自分らしく」は、個々人の「選択肢」にもつながりそうです
佐竹さま:私自身、もともと異なる業界にいたのですが、当社は社員が自由というか、選択肢が多いと改めて感じています。
一例を示しますと、毎年8月に開催されるフジロックフェスティバルに協賛しているのですが、マーケティングチームの一人から提出された出張申請に「宿泊費:0」と書いてあったのです。「もしかして車中泊?」と不安に思ったところ、「テントに寝袋で泊まります! 食事も自分で作るので、宿泊は要りません!」とのことで、その時に「こういう社員たちと働いているんだ」としみじみ感じました。
牧野さま:僕自身が仕事でフジロックに行った年、自宅から最寄り駅まで自転車に乗りながら段取りをずっと考えていました。仕事ですから、それなりにプレッシャーを感じていたのですが、駐輪場の管理人さんから「キャンプ行くんだ!いいね」と言われたのが印象的です。頭の中では仕事のことを考えているのですが、外見だけは完全にアウトドア、遊びに行く人にしか見えません。それだけでも、幸せなことだと感じました。
佐竹さま:「日々していることが好き」という気持ち持って仕事が出来ることが、当社の強みなのだと思います。社員が働きがいのある職場であると感じられるよう、社員に寄り添い、耳を傾け、仕事のしやすい環境作りにこれからも注力していきたいと思います。
株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン
1938年創業の米国コロンビアスポーツウェアカンパニーの日本法人。1997年6月設立。
アウターウェア、スポーツウェア、フットウェア、バックパック、アクセサリーなど豊富な製品ラインアップを取り揃え、日本でアウトドアライフスタイルを楽しむ人々に提供している。
公式サイト:https://www.columbiasports.co.jp/shop/default.aspx