職場環境優良法人2022
【回答者数101人〜500人部門】
PRONI株式会社さま
ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2022年度ストレスチェックにおいて、職場環境優良法人(回答者数101人以上500人以下部門)を受賞されたPRONI株式会社(旧株式会社ユニラボ)の森直樹さま(執行役員 HR部部長)、池田翔子さま(HR Div.)に、信頼関係の重要性や関係構築のための施策などを伺いました。
PRONIさまの風土を教えてください
森さま:弊社は、ビジョン「受発注を変革するインフラを創る」の達成に向けて全社で難しいチャレンジを続けている会社です。この壮大な挑戦を実現するうえで、「変革・進化」、バリューである「まっすぐ」、それから「多様な価値観の尊重」、「信頼関係の構築」という4つのファクターを重要視しており、これらが風土のベースにあります。
ビジョンを実現するためには非連続的な成長、「変革・進化」が欠かせません。加えて、1人では到底達成できませんので、集団的な知性の形成、「多様な価値観の尊重」をカルチャーの礎にしています。
ただ、どんな価値観でも無条件に受け入れられるものではなくて、たとえば「自分はやる気ないんで、それも価値観ですね」と言われたらそれは違いますよね。ですので、適切に多様な価値観をインクルージョンするために、行動規範として「まっすぐ」を定めています。
そして、この「まっすぐ」を軸に、「信頼関係の構築」を進めているのです。
ベンチャー企業のなかには「成果出してください」からスタートするところも見られますが、この場合、成果が出ないときには、関係性の悪化や負のサイクルにつながっていく可能性があります。
我々は、「まずは環境を意識する」を全社の共通意識として持ち、そこから結果につなげていくサイクルを続けており、これに基づいて、各種人事制度なども作られています。
出所:PRONI株式会社「”まっすぐドリブン”な組織へ。ユニラボからのお約束。」
さまざまな施策の根底には「まっすぐ」があり、それが関係の質、ひいては結果の質につながっているのですね。入社される方々も「まっすぐ」に共鳴されているのでしょうか?
森さま:「まっすぐ」へのフィットは、採用活動でも大切にしているところです。「まっすぐ」には、「顧客にまっすぐ向き合う」「チーム全員にまっすぐ向き合う」「成すべきことにまっすぐ向き合う」と3つの観点があります。
このうち「顧客にまっすぐ向き合う」には「プロフェッショナルとして高みを目指し続けます」、「成すべきことにまっすぐ向き合う」には「どう最速で、どうやっていく最後まで諦めず粘り強くやっていくか」といった文言が入っており、これらにコミットし続けられるか、お客さまに向き合えるか、さらに1人ではなくチーム全員で協力し合う意識を持っているかを重視しているのです。
このバリューに共鳴された方が入ってくださることで、「まっすぐ」というベースの上に、また新たな価値が生まれ、チーム全体としてシナジーが発生すると期待しています。
VALUE:まっすぐ
顧客にまっすぐ向き合う
私たちは、すべての顧客の成功の為に、全力を尽くすことを約束します。
その為に、プロフェッショナルであることに拘り、高みを目指し成長し続けます。
チーム全員にまっすぐ向き合う
私たちは、立場に関係なく、良い悪いをはっきり言えるチームを目指します。
チーム全員にリスペクトと感謝を持ち、信頼関係を築きます。
成すべきことにまっすぐ向き合う
私たちは、自身とチームの目標達成に向けて真剣に取り組みます。
最速かつ最高のアプローチを探求し、諦めず粘り強くやり抜きます。
出所:PRONI株式会社「会社について」
「関係の質」を高めるうえでは、どのような施策をなさっていますか?
森さま:いくつか社内制度をご紹介します。
1つ目は、会社側がランチ代の補助をし、いろんな部署の方とランチに行ってもらう「シェイクハンズランチ」です。弊社は採用を大きく広げて行っているため、入社間もない方が多く、この方々が皆さんのなかに溶け込むスピード、そして活躍までのスピードを上げるために、全社員をよく知る状態、つまり「握手している状態」をいち早く作るべく、交流機会を作っています。社会のネットワークが広がっていくかのように、シェイクハンズランチを契機として新たなコミュニティができたり、他部署との交流が広がったりしていきますので、信頼関係の質を上げる意味で重要なキーになっているのではないでしょうか。
シェイクハンズランチをどの組み合わせで行ったかは、人事部門で把握しており、私たちとしては達成率100%を目指しています。
森直樹さま(執行役員 HR部部長)
採用を拡大しているということは、「シェイクハンズランチ」が常に機能している状態と言えそうです!
森さま:2つ目は「メンター制度」です。オンボーディングを目的とした施策で、他部署の方がメンターとして新入社員に付いています。
「上司に相談しづらい」とか「自分で解決すべきと思っているなかで、何かヒントがほしい」、あるいは「自分の所属している部署だけでは対応できないかもしれないけれど、どこに聞いたらいいかわらかない」といったときに第三者的な立場の方が、気軽に相談できる相手として、業務上のサポート役を担っています。業務にとどまらず、プライベートでも「○○さんも同じ趣味持ってるよ」といった具合にネットワークがつながっていく好影響も生まれています。
本当に網目をはり巡らせるように丁寧に人間関係ができてますね
森さま:3つ目は「まっすぐフライデー」です。従業員数が100名超えてきたことから、経営層とメンバーの距離が物理的に当然開きつつあるのですが、弊社にジョインしていただいた方には、当事者意識を持って業務に携わってほしいと思っています。
ですので、経営層の仕事に対する想いや、抱えている課題を共有する場、逆にメンバーから「現場ではこういう課題を持ってますよ」と経営者に伝える場として、経営層とメンバーでお酒を飲みながら、ざっくばらんにお話する機会を「まっすぐフライデー」として定期的に設けています。
経営者と初めて話す方ですと、質問もなかなかしにくいところがあると思いますが、「まっすぐ」の定義のなかに「立場に関係なく、良い悪いをはっきり言えるチームを目指します」という文言があり、ここには経営者も含まれています。ビジョン実現のため、「これ私はこう思っているんです」を率直に伝えてもらう場としても機能しています。
メンバー間の交流機会が縦横無尽に用意されている様子がうかがえます
森さま:さらに、四半期に一度の「全社会」も恒例行事の一つです。全社員が集まって、四半期の業績と今後の戦略を共有、さらに成果に対して称え合う機会です。全社会には表彰制度があり、もともとはMVPだけだったところ、昨年から「まっすぐ」を一番体現できたと思う人を、投票制度で選出する「まっすぐ賞」も創設されました。「顧客」、「チーム」、「こと」それぞれで1人ずつ選出して、みんなで称えています。
メンバーの方一人ひとりにフォーカスした施策もあるのでしょうか?
森さま:1on1ミーティングを重視しています。会社としては、メンバー全員に期待するものとして、プロとして自立をしてほしい、自分のキャリア開発やビジョン実現に向けて挑戦してほしい、オーナーシップを持ってほしいとお伝えしています。そのなかで、会社としてはメンバーの挑戦と成長に対しての伴走支援の徹底を約束しており、その一つが「1on1ミーティング」なのです。
1on1ミーティングによって信頼関係を上長とも築き、挑戦に向けた足かせを解いていくところ、さらに挑戦しただけではなくてそれを成長につなげるためにコーチングのような形で内省化を促していくことを狙っています。
ときには厳しいフィードバックも必要ですし、逆に上長に対して要望を伝える場としても1on1の時間は重要視しています。メンタルヘルスの変化にも気づきやすい制度ではないでしょうか。
メンタルヘルスとの関係では、ドクタートラストのストレスチェックを使っていただいています。ご感想をお聞かせください
池田さま:ドクタートラストさんでのストレスチェックは、我々の取り組んでいる施策の結果が証明されるような形でレポートをいただける点に嬉しく思っています。
先ほど森が説明しましたように、弊社はオンボーディングに力を入れています。これは「まっすぐ」を一人ひとりに体現していただくためであり、この「まっすぐ」を体現するには「心理的安全性」がベースになければならないと思っています。ですので、心理的安全性を意味するTrusty Score(職場環境指数)の数値が高いということは、我々の施策がうまくいっていることの根拠かなと感じています。
池田翔子さま(HR Div.)
また、私達は高い理想を掲げ、それに共鳴してくれる方たちと、実現に向かって走っているわけですが、一方で社内には課題も当然あるものと認識しています。集団分析結果内の満足度分析では、私達が「これが課題かな、取り組まなきゃいけないよね」と思っていることについて、さらに詳細な分析がなされていますので、私達から経営陣に提案するうえでの「術(すべ)」として機能しています。
そして、私たちの強み、大事にしたいことが、きちんと強みになっているかが、「優先して改善すべき職場環境ランキング」の全国平均比較で確認できた点も非常に良かったです。
私たちの仮説を、高い解像度で裏付けてくれる存在といえます。
ありがとうございます!最後に、これからの展望をお聞かせください
森さま:我々のビジョンの実現を山登りに例えるなら、現在地はまだ麓に過ぎません。組織レベルはもちろん、個々人の成長が、今後非常にキーになってきます。冒頭で申し上げた、「関係の質」の向上を引き続き優先的に進めつつ、並行して、その「関係の質」を「結果の質」につなげるループをより強化していきたいです。
具体的には、先ほどご紹介した「シェイクハンズランチ」や「まっすぐフライデー」などで、タテ×ヨコの信頼関係をより強固にしていく、その信頼関係をベースに、上長からのタテのフィードバック、メンバー同士のヨコのフィードバックを通じて、お互いを高め合うカルチャーを追求し続けます。
PRONI株式会社
2012年設立。「受発注を変革するインフラを創る」をビジョンに掲げ、国内最大級のBtoB発注業者比較サイト「アイミツ」を運営している。
公式サイト:https://www.proni.co.jp/