職場環境優良法人2022
【回答者数50人〜100人部門】
テックタッチ株式会社さま
ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2022年度ストレスチェックにおいて、職場環境優良法人(回答者数50人以上100人以下部門)を受賞されたテックタッチ株式会社の石平直さま(人事担当)に、社内でのコミュニケーション施策への取り組みなどを伺いました。
テックタッチ株式会社 人事担当 石平直さま
最初にテックタッチさんの社風や大切にしていることを教えてください
テックタッチには、コミュニケーションを円滑にする目的で、ニックネームで呼び合う文化があります。
どう呼んでほしいかは自分で考えてもらい、入社初日に開催されるオンライン上のウェルカム会で呼び名を決めています。
私(編集部注:石平さま)は、下の名前にちなんで「nao(なお)」と呼ばれている一方、名前とはまったく違うニックネームの方もいます。何か話をする時に、業務上のやりとりだけでなく「なぜこのニックネームなんですか?」など、話題の幅が広がり、コミュニケーションが活発になります。
もちろん創業者2人(編集部注:代表取締役の井無田仲さま、取締役CTOの日比野淳さま)のことも「naka(なか)さん」、「jun(じゅん)さん」とニックネームで呼んでいます。
「課長」「社長」などの役職名ではなく、「さん」付けでお互いを呼び合う会社は増えてきましたが、全員ニックネームはユニークですね!
そうですね。私も、今まで働いてきた職場とは社風が大きく違ったので、ニックネームで呼び合うことに最初はドキドキしていたのですが、周りが当然のようにニックネームで声をかけてくれるので、すぐに慣れました。私自身の経験も含めて、ニックネームで呼び合うことには、入社直後から「自分は受け入れられている」という空気や安心感が生まれるように思います。
会社規模の拡大に伴い、マネージャーなどの役職を新たに設置したものの、「役職はあくまで仕事の役割であり、人間関係の上下ではない」、すなわち「関係性はフラットでいよう」という思想が社内にあります。
こうした思想が根底にあり、当社の働きやすいカルチャーが醸成されている気がします。
会社としての価値観や文化に共鳴されて入社される方も多そうです
価値観や文化への共感は入社理由として多いですね。そこに至るには、面接回数や入社前のコミュニケーション量をできる限り多くして、「よく知ってもらう」ための工夫をしていることも功を奏していると思います。現場社員の一次面接、管理職の二次面接、社長と話す最終面接、といった通常の面接フローではなく、面接順番も候補者の興味や検討度によって異なりますし、回数が増えることもあります。さらに、当社のカルチャーや考え方にフィットするかどうかをお互いにすり合わせるための「カルチャーフィット面接」を実施しています。カルチャーフィットを重視している当社ならではの取り組みで、最終面接終了後に実施し、かつスキル面などでは通過していても、面接官の判断で、入社を見送る場合もある、重要な面接の場です。
公平にジャッジできるよう、面接官はビジネスとエンジニア部門をクロスして、なるべく遠い部門の方も含めてカルチャーフィット面接を実施しています。
また、選考意欲を高めてもらうために、当社に興味を持ってくださった方や選考途中の候補者の方向けに「採用ミートアップ」という交流機会を毎週木曜日に開催しています。
採用ミートアップは、Zoom上で採用候補者と弊社のいろんな部門のメンバーが1時間半ざっくばらんに話をして、会社全体の雰囲気を感じていただく場です。選考要素はありません。その場を通じて、会社の雰囲気との相性を、採用候補者が見極められるようにしています。
選考を通して、会社として一方的にカルチャーを押し付けるのではなく、採用候補者にもいろいろお話を伺うようにしています。
採用候補者の方にとっても転職は人生の大きな岐路になるので、悔いのない選択をしていただきたく、当社のあるがままを包み隠さず見てもらっています。
ドクタートラスト担当の小島から記念の盾を贈呈!
入社後の実際の働き方はいかがでしょうか? IT系の企業ですとリモート勤務の方が多い印象を持っています
チームごとに少しずつ異なりますが、プロダクトチームは原則としてフルリモートで、最近は北海道や鹿児島、大阪など、遠方在住のメンバーも増えてきました。
一方、コーポレートチームやビジネスチームに関しては、出社日数や割合の目安を決めて働いています。
リモートに切り替えたのは、当初新型コロナウイルス感染症がきっかけだったのですが、この働き方でパフォーマンスを発揮できているので、オンラインとオフラインの良さを活かした、現在の形に落ち着いています。
リモートですと、会社によってはコミュニケーションの課題が出てくることもあります。テックタッチさんでは、どのようにやり取りされていますか?
リモートで働くなかでは、日頃のコミュニケーションツールとしてSlackを使用しています。
加えて、エンジニアたちを中心にしてバーチャルオフィスツール「Tandem」も活用しています。オンラインのコミュニケーションの難しさの一つに、相手が今何をしているか、声をかけるタイミングが見えにくいことにあると思いますが、「Tandem」は、ログインしていれば「手を上げる」機能で、オフィスで隣の席にいるように声をかけられたり、一緒にプログラムを書いたりすることができます。
こうしたツールを駆使して日常のコミュニケーションを取っています。
また、会社としても、メンバー同士のコミュニケーションを活発に行いやすいようにさまざまな機会を設けており、その一つの施策として「シャッフルランチ」を実施しています。
これは、チーム関係なくごちゃ混ぜのグループを作り、オンライン上でメンバーが食事しながらおしゃべりをするというものです。
業務上あまり関わりのないチームメンバーともコミュニケーションを取れるようにこうした機会を月1で設けています。
また、リアルなコミュニケーション関連では、「ランチチャンネル」があります。
当社では、社内のメンバーでランチをする際、週に1回、ランチ代の支給しており、ランチチャンネルには「こんなメンバーと行きました」と写真を載せてもらっています。
社内チャットの「#lunch」チャンネルの様子
リアルでのコミュニケーションとしては、ほかにどういった場面がありますか?
定期的に開催している「オフサイト」が挙げられます。
会場を半日ほど借り切って行われるもので、過去には一つのテーマについて横断的なチームにわかれてディスカッションをし、全社的な考えをシェアする機会を設けたり、設立5周年パーティーとしてみんなで会社の歴史を振り返り、これまでの感謝とこれからの決意を確認するイベントなどを行いました。オフサイトで特徴的なのは、運営が有志によって行われる点です。
「こうしたイベントを企画しています」とアナウンスすると、自発的に手を挙げてくれるメンバーが多く、テックタッチという会社に当事者意識や熱意を持っている人が多いのではないでしょうか。
創立5周年パーティーの集合写真
社名でありプロダクト名である「テックタッチ」への愛着の強さを感じます
会社の価値観の根底にあるのが、創業者2人の想いです。
2人とも「仕事は人生の一部であり、仕事の時間も人生において大きな時間なので、楽しく働きたい」という意識を原体験とともに持っており、それが今申し上げたさまざまな施策につながっています。
テックタッチさんのバリューからも「社員が主役」の想いが伝わってきます
当社のバリューの一つに「挑み続けろ 援護があるから」があります。
「頑張って挑戦してる人に対しては、周囲の自分たちが援護をして、成功に導いていこう、挑戦を後押しする精神を持っていよう」というものです。
実際、Slackで、「今こういうことに困ってます」と書くと、いろんなメンバーから「こうしたらどう?」「こんな方法があるよ」など、どんどんアドバイスが投稿されます。
また、バリューには「いつでもごきげん」というものがあります。
端的にいえば、「チームとして最高のアウトプットを出せるようにお互いに尊敬・尊重して、いつでもごきげんでいよう、働こう」という意味がこめられていて、当社のメンバーたちは体現しながら仕事に向き合っています。
そして、こうしたバリューの実現が、働きやすさやコミュニケーションの取りやすさにつながっており、今回のストレスチェックの数字にも表れているのだと思っています。
会社の働きやすさを示す「トラスティスコア」が非常に良かったです。どんなご感想を持たれましたか? また、当社を利用いただくようになった経緯も教えてください
ドクタートラストさんから集団分析結果を報告いただいたとき、「そうだろうな」と思いました(笑)。
ストレスチェックは、社員数が50名を超え、実施が義務づけられたタイミングで導入することになり、いくつかのストレスチェックツールを利用している会社に話を聞きました。
ドクタートラストさんにお願いしたのは、実績が豊富で、集団分析結果が見やすく整理されていたためです。
今回は特に大きな問題点はなかったので、今年度もさらに実施してみて変化を見ようと思います。
最後に、将来への展望を教えてください
ありがたいことに、7月で社員数が100名の大台に達しました。
今後はバリュー見直しやオフサイトの新入社員による運営(挙手制)など、取り組み自体をアップデートしていきつつも、テックタッチの根底にある「会社の主人公は社員であること」は意識して、現在のカルチャーを継続していきたいと考えています。
テックタッチ株式会社
2018年設立。「すべてのユーザーがシステムを使いこなせる世界に」をミッションに掲げるスタートアップ。あらゆるWebシステムの入力をアシストするDXプラットフォーム「テックタッチ」を提供している。大手企業や自治体・官公庁などに導入され、ユーザー数は200万人超。2022年にグッドデザイン賞などを多数受賞し、2023年には経済産業省が選ぶ優良スタートアップ企業「J-Startup」にも認定された。
公式サイト:https://techtouch.jp/