職場環境優良法人2023

【回答者数50人以上100人以下部門】
株式会社キッズラインさま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2023年度ストレスチェックにおいて職場環境優良法人(回答者数50人以上100人以下部門)を受賞した株式会社キッズラインの宮坂和子さま(コーポレートリーダー)に、コミュニケーションへのお取り組み内容やストレスチェックの活用方法などを伺いました。

株式会社キッズラインの宮坂和子さま(コーポレートリーダー)

はじめにキッズラインさまの特徴を教えてください


宮坂さま:当社は ビジョン「テクノロジーの力で社会を変える」のもと、「日本にベビーシッター文化を」「家事代行をあたりまえに」をスローガンに掲げています。
このビジョンに共感して入社した従業員がほとんどで、内訳としては女性が9割、子育て中の従業員が7割のため、柔らかい雰囲気があります。
また、いろんな経歴を持った従業員が集まっている一方で、ビジョンへの共感を第一として入ってきていますので同じ目標を持って頑張っています。

出身業界が異なると、それだけ多様性も尊重されていそうです。ちなみに宮坂さんはどちらのご出身なのでしょうか


宮坂さま:私は長らくアパレル業界にいました。人の役に立ちたい、社会貢献をしたい想いは頭の片隅にはあったもののファッションが好きだったことから、この業界で働いていたのです。
出産を経て「子どもに誇れる社会的意義のある仕事をしたい」と意識が変わり、社会貢献に携われるようなスタートアップ企業、ベンチャー企業の軸でキッズラインに入りました。
同様に前職がアパレルの者、あとは証券会社や広告代理店出身者もいますし、保育士や幼稚園教諭の資格を持って保育園や幼稚園で働いていた従業員もいます。

子育て中の従業員が7割とのことですが、皆さんの勤務形態を教えてください


宮坂さま:基本はリモートワークで週1日の出社を推奨していますが、出社日はチームによって異なります。

そうした働き方のなかでコミュニケーションにはどのように取り組んでいますか


宮坂さま:ツールとしてはSlackをコミュニケーションツールとして使用しており、ZoomやGatherを活用しているチームもあります。 たとえば、ユーザーさまやサポーターさま(ベビーシッター、家事代行を担ってくれる方)のためリアルタイムでの確認や対応が必要なチームがあります。そのためZoomには常時接続、上司や他のメンバーにすぐ声かけられるような体制を整え、オフィス出社とそん色ない環境にしています。
私の所属するコーポレートチームでは、自分のアバターを仮想オフィス内で動かせるバーチャルオフィスツール「Gather」も併用しています。
さらにSlack内の趣味や育児、家事のチャンネルではチーム関係なく交流を深めたり、コメントをもらったりすることができます。

Gatherの実際の画面

リモートですと相手の状況が見えなくて「声をかけづらい」といった課題も聞かれます。その点をクリアできる環境が整えられているのですね。個人的にはGatherも気になります


宮坂さま:Gatherではアバターが自由に設定できるようになっていて、今日の私は紫のターバンに青いワンピース、それにピンクの靴を身に着けています。すごく楽しいですよね。
Gatherはコーポレートチーム、それに デビュー直後のベビーシッターのサポートを行っているオンボーディングチームが導入しています。使用ツールも含めて会社側から「こうしてください」と指示が出るわけではなく、各チームに合ったやり取りのしかたを選んでいます。

部署単位の裁量の大きさを感じます


宮坂さま:自主的にチームに合ったものをリーダーとメンバーで選んでいるという形で、かなり裁量が与えられています。自由な社風であることは常々感じています。
このほか月に1度の全社ミーティングの際に「スペシャルサンクス賞」を実施しています。感謝の気持ちを投稿するSlackのオープンチャンネル「スペシャルサンクス」で、多くの感謝を集めたメンバーやチームを表彰するものです。Slackへの投稿が恥ずかしいメンバーもいるので、Googleフォームでの投票も集めています。
実際のオフィスですと「誰と誰がどのような仕事の関わりを持っているんだな」とか「このチームのこの人とあのチームのあの人が一緒に仕事したんだ」とか、人と人のつながりが垣間見えたりしますよね。リモートだとこうした関係性が見えづらいのですが、感謝を伝えることで交流を可視化しています。

離れていてもつながっている感じがすごくいいですね


宮坂さま:対面のコミュニケーションとしては、月に1回、夜に懇親会を開催しています。参加は任意です。

懇親会の様子

「任意」という点も魅力的です。最初にお話しされたように、子育てをされている方が多いと思うのですが、何か配慮などはなさっているのでしょうか


宮坂さま:お子さまの病気や保育園の面談、小中学校の参観といった1時間程度の用事であっても有給休暇を1日分、または半日分取得するのが通常だと思うのですが、当社はフレックスタイム制を導入しているため 柔軟な働き方ができます。特に病気のときは「お互いさま」ですのでフォローし合って仕事を進めています。
私自身、アパレル業界にいたころは自分よりずっと年下の20代独身のメンバーと一緒に働いたことから、子どもの病気などで抜けざるを得ないときはすごく申し訳ない気持ちになっていましたし、抜けた分は早朝や深夜に稼動していました。実際そうした穴埋めをしなくてはいけないときも業務上あるのですが、当社の場合は「お互いさま」のおかげで罪悪感なく抜けてもらうことができます。
そもそも育児しながら働く方々を支える目的で始まった会社ですので、皆 「お互いさま」の感覚を持って働いていると思います。

そのほかに新たな取り組みなどはありますでしょうか


宮坂さま:先ほどお伝えしたように対面の懇親会を定期的に行っているものの、小さいお子さまがいたり、それこそ北海道から九州まで居住地が散らばっていることから、参加しづらいメンバーもいます。そうしたメンバーに向けて何かイベントもやっていきたいなと考えています。
これは滋賀県在住の人事労務メンバーの発案なのですけれども、Slackには「文房具」や「アイドル」、「漫画」など趣味ごとのチャンネルも多数ありますので、チャンネルごとのオフ会をオンラインで開催し、趣味のつながりを深める企画も検討中です。
まだアイディアベースではあるものの、7月から新しい期が始まるのに合わせて何か施策を始められればと思っています。

新しい施策がボトムアップで生まれるのも素敵です。ところで今回の職場環境優良法人は、当社のストレスチェックサービスをご利用いただいていることによります。ストレスチェックへのご感想などがあれば教えてください


宮坂さま:職場の状況や自分の状況が回答結果によって改めてわかる点はいいですね。また、以前は紙受検でしたので堅苦しいイメージがあったのですけども、現在採用しているWEB受検は柔らかいカラーで安心感もありました。

ありがとうございます! 集団分析の結果はどのように使っていますか


宮坂さま:集団分析に関しては申し込みの際に、今年はどのような手段で分析したいかを人事労務チームで決めています。ストレスがほかより多めのチームは単独で分析を行うとか、プロダクトと安全管理を分けるなど特性ごとの集団にまとめるなどです。
また今年度からは、フィードバックいただいた後にチーム単位の集団分析結果をリーダー陣に共有して改善につなげていくつもりです。

10周年記念パーティ

最後に今後の展望を教えてください


宮坂さま:インタビューを通して当社に柔らかい印象を持たれたと思いますが、そうはいってもベンチャー企業らしい面もあります。1人ひとりが多くのタスクをこなしていますし、2024年5月で累計依頼件数が200万件突破、サポーターさま(ベビーシッターさんや、家事代行を担ってくれる方)が4,000名を突破したこともあり、これまで以上にサービスが拡大していく見込みです。
今後、ストレスチェックはもちろん、産業医面談なども活用し、従業員のケアにも注力していきます。エンゲージメントを高めて、できるだけ長く、それこそ育児中の従業員の小さいお子さまが、成人して立派な社会人になるまで長く働いてもらえるような環境を作りたいと考えています。

株式会社キッズライン
2014年設立。 インハウス分野のサポートを得られるCtoCマッチングプラットフォームを運営している。現在は、ベビーシッター、産後ケア、家事サポートサービスなどを提供している。
公式サイト:https://kidsline.me/