
【2021年度のストレスチェック全国データ分析 第2回】「TRUSTY SCORE」と各指標には関連があった?~個人結果編~
最終更新日 2023-01-19
ドクタートラストのストレスチェックサービスは2021年度、940組織、324,642人に受検いただきました。
2021年度からストレスチェックの集団分析では、組織の雰囲気に関わる設問を抜き出し、組織の信頼関係を可視化する「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を掲載しています。
本コラムでは、シリーズで「TRUSTY SCORE」とストレスチェックの各指標の分析結果をお届けしていきます。
第2回はTRUSTY SCOREと個人の受検結果編です。
TRUSTY SCOREと各指標の結果の前に、TRUSTY SCOREと個人の受検結果がどのように関連しているかを2021年度に受検いただいた940組織、324,642人の全国データから見ていきましょう。
ドクタートラストのストレスチェックでは、個人の受検結果はA判定~E判定の5パターンで算出されます。
A判定から徐々にストレスは増えていき、E判定=高ストレス判定となります。
そして、集団分析では、下記のように掲載しています。
高ストレス者の割合だけでなく、高ストレス判定まではいかないが、ストレスを保有しているD判定者の割合も大事なポイントです。
A判定者とE判定者で何が違う?
ストレスチェック研究所では、2021年度の個人結果におけるA判定者(ストレスレベルが最も低い)とE判定者(高ストレス者)と、TRUSTY SCOREの関連性を分析しました。
すると、組織の信頼関係を構築するうえで大事なポイントである下記2点がストレスの有無に影響があると判明しました。
① 職場内での会話の回数
② 個人の尊重性
以下では、一つずつ詳しく解説いたします。
職場内での会話の回数
「①職場内での会話の回数」は、ストレスチェックの設問中、上司や同僚について「頼りになるか」「気軽に話ができるか」「相談したら、どのくらいきいてくれるか」尋ねる設問に関わります。
以下は、各設問に対する良好回答者(「非常に」「かなり」)と不良回答者(「多少」「まったくない」)の回答分布です。
上記のように、A判定者とE判定者の回答結果は大きく異なり、会話の回数が個人のストレスレベルに影響していることが推察できます。
個人の尊重性
次に、「②個人の尊重性」は設問「一人ひとりの価値観を大事にしてくれる職場だ」「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる」に関わります。
先程同様に、ストレスレベルの低いA判定者と高ストレスのE判定者で、結果に大きな差異がみられます。
職場内に個人の考え、意見を尊重してくれる文化があるかは、個人のストレスレベルに影響を与えるといえるでしょう。
これを集団レベルで考えると、チームワークがあり、会話の回数が多い、笑顔が溢れており、いきいきと働きける状態、すなわち「信頼関係=TRUSTY SCORE」につながります。
さいごに
以下は、「活気が湧いてくる」「生き生きする」「元気がいっぱいだ」は高ストレス判定に最も影響のある設問です。
それぞれの設問をみると、ストレスレベルに大きな影響を及ぼすことがわかります。
このように、①職場内での会話の回数、②個人の尊重性が、上記の結果に影響し、最終的に、ストレスが心身に蓄積されメンタル不調の状態に陥ると考えられます。
今回は、TRUSTY SCOREと個人結果の関連をみてきました。
ご紹介した設問は、すべてTRUSTY SCOREを算出する際にも該当します。
次回はTRUSTY SCOREと高ストレス者の関係を詳しく解説していきます。
執筆者

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【職位】株式会社ドクタートラスト執行役員/シニアコンサルタント
【コメント】長年、営業職として多くの顧客と接してきました。年々労働力人口は減り続け、優秀な人材を確保することが、企業の発展に直結する時代になります。ストレスチェックの結果からは企業の現状を可視化できます。ストレスチェックを通じ、「元気に・楽しく・働きやすい」職場環境構築への情報発信ができるように努めていきます。
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