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【2021年度のストレスチェック全国データ分析 第6回】「TRUSTY SCORE」と各指標には関連があった?~TRUSTY SCOREを上げる方法編~

最終更新日 2023-01-20

ドクタートラストのストレスチェックサービスは2021年度、940組織、324,642人に受検いただきました。
2021年度からストレスチェックの集団分析では、組織の雰囲気に関わる設問を抜き出し、組織の信頼関係を可視化する「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を掲載しています。
本コラムでは、シリーズで「TRUSTY SCORE」とストレスチェックの各指標の分析結果をお届けしていきます。
最終回の第6回はTRUSTY SCOREを上げる方法編です。

第1回~第5回で解説したとおり、組織の信頼関係は、ストレスチェックの結果に大きな影響を及ぼします。
また、職場環境改善を行っていく上では、不可欠な要素といえます。
ストレスチェックの集団分析結果をどのように活用していいいかわからない人、結果のどこを改善していいか分からない人も多いと思います。
そのようなお悩みを抱えている人には、組織内での信頼関係を構築していくための施策をお勧めします。

信頼関係構築のための4STEP

信頼関係を構築では、まず、4つのSTEP「観察」「話を聞く」「問いかける」「理解」をメンバー各自意識して接することが大事です。


それぞれのSTEPを解説していきます。

STEP1:観察

「観察」は、メンタル不調の早期発見をするためのラインケアにも通じる部分です。
性格や考え方、表情なども含めて、メンバーのことをよく観察してください。
顔の表情は視覚から得られる情報となり、声のトーンは聴覚から得られる情報となります。

STEP2:話を聞く

STEP2では、メンバーの話をよく聞きましょう。
メンバーの話を聞くことで、考え方や性格を情報として得ることができます。
話を聞く際は、自分の表情への意識、頷きなどのリアクションを忘れないでください。
そして、大事なことは相手の話を最後まで聞くことです。
話を途中で遮り、自分の意見を発言してしまいがちですが、された側としては、自分の意見を発信することに抵抗が生まれてしまいます。
上司の人は特に気を付けてください。
上司と部下の関係だと、役職ゆえの遠慮から、部下は上司に心を閉ざしてしまい、信頼関係を構築することが難しくなってしまいます。

STEP3:問いかける

観察して、話を聞くだけでは表面上からの情報でしか相手を知ることができません。
問いかけることで、相手が言葉にしていないことも情報として得られます。
この問いかけを実施することで、相手の考えや性格をより深く、より正確に把握することが可能となります。

STEP4:理解

このSTEP1~STEP3を実施して、初めて相手を理解できます。
自分がより働きやすい環境にするためには、自分を理解してもらう必要があります。
そして、自分を理解してもらうためには、まずは自分が相手を理解する必要があるのです。

この4つのSTEPを実施することで、信頼関係は構築されていきます。
なかなか難しそうでしょうか?
すぐにでも実践できるお勧めの手法が「雑談」です。

4STEPを実践できる「雑談」

チームで仕事をしているとコミュニケーションが必要となります。
仕事の内容のコミュニケーションだけでは、相談しづらい、報告したら怒られそうなどのネガティブな考えを持ってしまい、話しかけることへのハードルを高く感じてしまう人は少なくありません。
そのハードルを下げてくれるのが日常の「雑談」です。
雑談をすることで、相手への警戒心が薄まり、周囲の人達との距離感が自然と近くなりやすいです。
距離感が近くなることで、相談しづらい、報告したら怒られそうなどのネガティブな考えはなくなってきます。
周囲の人達とのコミュニケーションが活発となり、仕事の本業でも良い影響が生まれてきます。
雑談を多く取り入れているチームでのメリットも掲載します。

雑談を多く取り入れることが、組織の信頼関係を構築していく中で、最も有効的な手法と言えるのではないでしょうか。

最後に

ここまで全6回に渡り、「TRUSTY SCORE」とストレスチェックの各指標の関連性をお届けしてきました。
ストレスチェックは毎年1回必ず実施することが義務付けられています。
ストレスチェックの集団分析結果の活用にお困りの際は、組織の信頼関係に着目し、信頼関係を構築していく施策が、組織の発展へとつながっていきます。

DL

執筆者

【シニアコンサルタント】杉山 敏之
【職位】株式会社ドクタートラスト執行役員/シニアコンサルタント
【コメント】長年、営業職として多くの顧客と接してきました。年々労働力人口は減り続け、優秀な人材を確保することが、企業の発展に直結する時代になります。ストレスチェックの結果からは企業の現状を可視化できます。ストレスチェックを通じ、「元気に・楽しく・働きやすい」職場環境構築への情報発信ができるように努めていきます。

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